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2015.3.30

弁護士1000人を海に沈めたらどうなると思う?

物騒なタイトルで驚かれたかと思いますが,これは映画の一セリフです。別に弁護士に恨みがあって書いたのではありません。
3月28日のニュースで,最高裁と法務省が司法試験の合格率が低いことなどを理由に,2015年度から教員として裁判官や検察官を派遣しない法科大学院が24校に上ると報じられました。その中には,既に募集を停止している地元の私立大学もあり,そこに通って弁護士を目指していた飲み友達を知っているので,つい気になって記事を読んでみました。
日本の法科大学院(ロースクール)制度は,2004年にスタートしました。目的は色々あると思いますが,法曹人口拡大の要望に応えようとしたことが制度開始の最大の要因と思われます。2005年時の日本の法曹人口は,25000人で,人口10万人に対して19.75人。先進国で最も多いアメリカの法曹人口は107万人で,人口10万人に対して365人も弁護士が存在します。アメリカ並みに法曹人口を増やすとまではいかないまでも,弁護士過疎地をなくしたり,法曹サービスを拡大するためには,平均的な先進国並みの法曹人口が必要と考えて,法科大学院制度を導入したのでしょうね。ただ制度が開始されて,さほど司法試験合格実績もない大学までも法科大学院を設置する,“ロースクールバブル”が発生するとは考えなかったのですかね?制度が導入されて10年ほどしか経っていないのに,既に3割の大学院が淘汰されて消滅し,今でも淘汰は加速されているのですから,法科大学院制度は完全に崩壊しているように思えます。なんとレジリエンスの弱いシステム,脆弱な制度なのでしょう。こうなったら,いくとこまで淘汰を見届けたのち,生き残った法科大学院と,法曹人口を受け入れる社会を含めて制度を立て直す必要があるでしょうね。
2014年の日本の弁護士人口は,法科大学院制度導入時に比べ,2倍の3万5千人になっているようですが,数は増えたものの,経済状況は以前と比べて困窮化しており,弁護士は,高給な職業の代表とはいえないようです。そりゃそうですよね。アメリカのように何かトラブルがあったら訴訟するような,訴訟がビジネス化していないですから,日本は。アメリカの弁護士は,病院に入院している患者に営業活動しているほどですからね。日本は,アメリカ社会のように,濫訴が当たり前の様な社会になってほしくないですね。ポジティビティ溢れる社会であってほしいと思います。
冒頭のセリフは,映画「フィラデルフィア」で,エイズ発病を理由に不当に解雇された敏腕弁護士であるトムハンクス演じるアンディが,死の間際に,彼の弁護を引き受けたデンゼル・ワシントン演じるミラーに言った言葉です。トムハンクスはこの演技でアカデミー主演男優賞を受賞しました。

アンディ:「弁護士1000人を海に沈めたらどうなると思う?」
ミラー:「さあ?」
アンディ:「世の中良くなる。」

こんな弁護士は乱造してほしくないですね。

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