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2020.10.19

目黒のサンマとこちマイ

皆様、こんにちは。

レジリエンストレーナー、
ポジティブ心理学コーチ
iEP認定シニアMBAエグゼクティブコーチ®の
松岡孝敬です。

いつもブログをご愛読いただき、
誠にありがとうございます。

最近、嬉しいことに、弊社ポジティビティが
企画制作した、
3つのよいことノート」に
関するお問い合わせを多くいただき、
ご購入もいただいて、
誠にありがたい限りです。

このノートは、子どもさんの
幸福感と(本物の)自己肯定感を高めることを
狙って制作したのですが、
東京都内の某私立小学校でご採択いただき、
ご利用されている児童と保護者様に
大変満足していただいています。

ご興味のある方は、下記のサイトを
ご覧になってくださいませ。
「3つのよいことノート」webサイト

さて、今日は、
こちこちマインドセットのお話。

スタンフォード大学心理学教授の
キャロル・ドゥエック博士は、著書、
「マインドセット『やればできる! 』の研究」
の中で、20年間の研究から、
人々の思考パターンは主に2つに分かれると
導き出しました。

その2つは、
成長思考(グロース・マインドセット)と
固定思考(フィクスド・マインドセット)
です。

成長思考は、よく
しなやかマインドセット」と
わかりやすく言いかえられます。
それもあり、私たちの仲間うちでは、
固定思考を「こちこちマインドセット」と
言いかえて使っています。

しなやかマインドセットとは、
ざっくり言えば、
「人間の能力は努力で成長させる
ことができる」という思考パターンです。
一方、こちこちマインドセットとは、
「人間の能力はもともと決められており
変わることはない」
という思考パターンです。

総じて、何事も柔軟にとらえる思考を
しなやかマインドセット。
自分の価値観や経験則にこだわりすぎて、
他人の考えを認めない硬直な思考を
こちこちマインドセットと
私はとらえるようになっています。

しなやかマインドセットを持つ人の方が、
失敗を恐れずに問題に取り組み楽しんで
学習するため、
能力の成長が促進されやすい傾向があると
ドゥエック博士は説いています。

私たちは、若い頃、子どもの頃は、
しなやかマインドセット(しなマイ)を
持っていますが、
年齢を重ねるうちに思考が硬直し、
こちこちマインドセット(こちマイ)
の思考が増える傾向にあるようです。

実際に高齢の方に、
こちマイ的な思考がよく見られます。
「一般的にこうなんだから、
こう従うべきだ!」とか、
「俺はこの慣例で今まで
上手くやってきたのだから、
今までの方法をテコでも曲げない」
とか。

こちマイな考え方でも、
その人の思考は自由なので、
他者の私が、その人の意見を
どうこういう資格はないのですが、
考え方がしなやかなほど、
レジリエンスは高まります。

しなマイを持ち続ける人は、
認知的柔軟性が高く、
レジリエンスの高い人です。

「一般的にはこうなんだし、
自分も今までこうしてきたけど、
あの人の意見は違うんだね」
とか、
「あの人の意見はわかったし、
尊重するけど、今回の事情には
沿わないなあ」とか、
あるいは、
「自分の主張と違うけど、
今回は他者の意見を尊重してみるか」
といった思考が、
しなマイ的な思考なのだと思います。

話は大きく変わり、
落語に「目黒のサンマ
という噺があります。

目黒まで鷹狩りに行ったお殿様が、
家来が弁当を忘れてきたので、
腹を空かせ、庶民が食べている
サンマの焼いた美味しそうな臭いに
吊られ、初めて目黒でサンマを食べたところ、
たいそう気に入り、以後、ことあるごとに
「余はサンマを所望する」と口にしました。

家来は、下衆が食べるようにサンマを
お殿様に出してはいけないと、
日本橋の河岸で手に入れた、
サンマの脂を抜き、骨を一本一本抜き、
お碗に入れて身体の崩れたサンマを
お殿様に出したところ、不味くて
お殿様は気に入らず、
「どこで手に入れたのか?」
とのお殿様の問いに、
「日本橋の河岸でございます」と
家来が答え、
「サンマはやはり目黒産に限る」と、
海とは無縁の目黒で獲れたサンマが
最も美味と感じるというオチの噺です。

お殿様の「目黒のサンマ」は、
まさにこちマイの極みですよね。

「目黒のサンマ」と同じような例は、
残念ながら現代でもよく見られます。
中小企業の社長にも、
よくみられる傾向です。

私を含めた、プロのビジネスコーチ、
レジリエンストレーナーにも、
「目黒のサンマに限る!」
「目黒のサンマ以外はサンマではない!」
的なこちマイに陥る人も少なくありません。

何をかくそう、私も、たまに
こちマイになるときもあります。

そんなときは自分の思考を
マインドフルネスに客観視し、俯瞰し、
「この考えって、ひょっとしてこちマイ??」
とメタ認知することにしています。

レジリエンストレーナー仲間の方とは、
仕事の打ち合わせしていると、お互いに
こちマイになっているか注意し合います。
「あんた!今、こちマイ入っているで!!
「〇〇さん、それ、
こちマイちゃいますか!?」という風にです。

「私は目黒のサンマしか食べないの!」
「私のやり方が一般的よ!」
「この私に広島のサンマを出すなんて!」
「〇〇さんは、私に対するリスペクトが
足りない!」
と嘆いて憤ってネガティブ感情を充満させ、
扁桃体を暴走させる前に、
今一度、こちマイになっているか、
客観視してみましょう。俯瞰してみましょう。

そして、私は、今夜、脂ののった
「広島のサンマ」を食することにします。

あれっ???
こちマイになっているかな??

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