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2016.1.16

コーチングの新結合(イノベーション)-ダイバーシティがイノベーションとレジリエンスを生む

皆様,こんにちは。

レジリエンス研修講師,ポジティブ心理学コーチの松岡孝敬です。

新年初めてのブログでございます。遅ればせながら,本年もよろしくお願い申し上げます。

今日は午後から,コーチング仲間と勉強会を行いました。

コーチング未経験者,初心者も参加されているため,前半はコーチングの基礎として,

基本スキルとその理論的裏付けについて,私がレクチャーを行いました。

中国コーチング勉強会20160116

この勉強会,「中国コーチング勉強会」と名付けられていますが,

参加者各々ベースとなるスキルが多様で,

PHP認定のコーチ資格保有者,

NLPトレーナー(ジョン・グリンダーからも指導を受けた本格派),

マインドブロックバスターインストラクター,

そして私,レジリエンストレーナー&ポジティブ心理学コーチ。

「中国コーチング勉強会」のミッションの1つに,独創的な中国コーチングスタイルを

創造するというものがあるのですが,これだけリソースが豊富で,

多様性が高いとイノベーティブなコーチングスタイルが創れると確信しました。

イノベーションを名づけたシュンペーターは,イノベーションを「新結合」

と表現しましたが,まさに,今日のコーチング勉強会は,

コーチングの新結合(イノベーション)でしたね。

ダイバーシティと発想の転換こそがイノベーションを生み,

レジリエンスを強化すると思います。

今年もワクワクとした楽しい時間を過ごすことができそうです。

2015.12.3

サンフレッチェからレジリエンスを学ぶ

皆様,おはようございます。

レジリエンス研修講師,ポジティブ心理学コーチの松岡孝敬です。

昨夜のJリーグ・チャンピオンシップの試合,サンフレッチェ広島VSガンバ大阪戦。凄い試合でしたね。

アディショナルタイムに入って,このまま負けてしまうのかなあと思っていたところ,同点に追いつき,まさか勝ってしまうなんて。

サンフレイレブンは,誰一人として最後の最後まで勝利をあきらめていなかったですね。サンフレからレジリエンスの神髄を教えていただいたような気がします。

それにしても,サンフレの2点目,アディショナルタイムに入ってからのFKで,直接ゴール前に蹴るのではなく,1つ変化を入れてゴール前にボールを上げ,相手キーパーも見逃すような浮かしたヘディングシュートで点が入るシーンは,1993年のW杯アジア最終予選の「ドーハの悲劇」の最後の屈辱的なゴールを思い出しました。デジャヴのような。

そういえば,サンフレの森保監督もガンバの長谷川監督もともに「ドーハの悲劇」のメンバーでしたね。

下の写真は,2012年11月,サンフレがリーグ優勝を決めた日,祝賀会会場で偶然にも食事していたとき,撮ってもらった森保監督と私のツーショットです。

森保監督と私

12月5日の2戦目も楽しみになってきました。ワクワクします。

2015.11.18

生物的な組織は逆境に強い‐“動的平衡”的組織とレジリエンス

皆様,おはようございます。レジリエンス研修講師,ポジティブ心理学コーチの松岡孝敬です。

最近,日本のスポーツチームの活躍が目覚ましいですね。W杯ラグビーの活躍,7人制ラグビーのリオ五輪出場決定,サッカーのW杯アジア予選,そして野球のプレミア12の活躍。強いジャパンを観るのは心地よいですね。ポジティビティが高まります。

プレミア12 ナンバー2

特にプレミア12のジャパンの活躍は素晴らしいですね。主軸の選手が不振だったり,けがで試合に出られなかったりしても,他のメンバーや主軸でない選手がその穴を補って余りある活躍をして勝ってしまう。二重三重の層構造が分厚くサポートしてチームを強靭化しているような印象を受けます。

かつてのジャパンナショナルチームには,あまりこのような多重補強構造はできていませんでした。野球に限らず,サッカー,バレーのナショナルチームも,主軸のレギュラーメンバーが固定されていて,主軸が一人でも欠けると,なかなかその穴を埋めてチームのパフォーマンスを維持できるサブメンバーがいませんでした。

その代表的な例は,「ドーハの悲劇」として有名な1993年のW杯サッカーアジア最終予選でのジャパンです。そのとき,左サイドバックのレギュラーだった都並敏史は左足首を骨折して出場できない状況でした。にもかかわらず,都並は当時のオフト監督から招集され,ドーハに向かいます。左サイドからの攻撃を脅威と見ていた対戦チームへ「都並はいつでも出場できる」と思わせたかったのでしょう。しかし,結局,都並は出場できず,代わりに何人かの選手が左サイドバックを務めましたが,都並ほどは機能せず,敗退しました。この一連のエピソードは,「狂気の左サイドバック」というノンフィクションに詳しく書かれてあります。

話は代わり,「動的平衡」という概念をご存知でしょうか?福岡伸一さんのベストセラーになった本のタイトルでもあるので,言葉だけはご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

私たち人間を含め,生物の体は常に物質代謝,エネルギー代謝を行っています。体を構成する物質はすべて常に入れ替わっています。つまり,今現在の私たちの体は,物質レベルでは,その短時間前の体と同じではありません。物質レベルでは,常に新たな物質が入れ替わって作られている新たな体なのです。このように物質レベルでは以前とは全く違う新たな構造体でありながら,以前となんら変わらない生物体としてふるまい,機能上も構造上も何ら変わることはありません。このような状態を「動的平衡」な状態といいます。

かつてアメリカの著名な組織経営学者,ピーター・センゲは,組織を機械としてみる捉え方と生命体としてみる捉え方の2つを紹介し,生命体のような組織の方がマネジメント力が高いと提唱しました。プレミア12でのジャパンチームは,主軸が抜けてもその穴を埋める選手が活躍してチームのパフォーマンスを崩さない,まさに動的平衡なチームで生命体のような組織を形成していますね。このような組織はレジリエンスも強く,逆境やピンチにも強いはずです。

動的平衡な組織を誤解して,組織レジリエンスを強化していないにもかかわらず,「うちは主軸がいなくても大丈夫」と勘違いして,主軸を排除して頭脳流出させ,結果,組織のパフォーマンスが著しく低下し,衰退していく企業も見られます。このような組織はご用心。

動的平衡でなくなった生命体は死を迎えます。動的平衡的でない企業・組織は…??

それでは皆様,今日もポジティビティ溢れる一日をお過ごしくださいませ(笑)

2015.9.20

JAPANおめでとう!-大金星に見る組織レジリエンス

やりましたね!ラグビー日本代表!ワールドカップで歴史的な勝利!優勝候補の南アフリカを撃破!

ラグビー=日本代表、W杯で南アフリカに歴史的勝利

不覚にも,私はライブでは観てなかったのでした。まさか南アフリカに勝つとは予想していなかったからでしょうか?ラグビーファンとして情けないやら,JAPANに申し訳ないやら…

ラグビーはサッカーと違って番狂わせの極めて少ないスポーツなので,試合を見ててもJAPANの勝利は,決してフロックでも奇跡でもなく,真剣勝負での勝利ですね。南アフリカも本気で勝とうと必死でしたものね。

再放送で試合を観ていると,ポジティブ組織論的にも組織レジリエンス的にも印象的なシーンが2つありました。

1つは,後半3分と21分に,ディフェンスラインからのファーストタックルが空振ったりかわされたりして,あっさり南アフリカのトライを許したときです。

試合後,副主将のフッカー堀江選手は,そのときのプレーを振り返ってこう話しています。

「パニックにならなかった。抜かれても、それは個人が理由なのか、組織が理由なのか、組織だったらそのどこが問題なのかを冷静に話し合った。起きたことはしゃあない、と。」

以前のJAPANナショナルチーム(ラグビーに限らずすべての球技チーム)では,およそ考えられない冷静さですよね。以前のナショナルチームでは,格上のチームに得点を許してしまうと,浮足立って自滅するケースが多かったのに。

組織として冷静に状況を把握し,プレーを振り返り,過度に失敗を引きずらず,ネガティブ感情を瞬時にコントロールしている様子がうかがえます。個々のレジリエンスの強さも感じましたし,組織としてのレジリエンスもかなり強いなあと思いました。

2番目に印象深いシーンは,29-32とリードを許した状態での最終盤,相手の反則のとき,ペナルティキックを狙わずスクラムを選択したシーンです。

ペナルティキックを選択して成功しても同点にしかならないので,逆転勝利を狙ったギャンブルプレーなのかなと最初は思ったのですが,それはJAPANに対してとても失礼な見方でしたね。彼らは,ギャンブルなのではなく,確実に逆転できるという自信(確信)があったからの選択なのでしょう。

それは,名将エディ-・ジョーンズの下での過酷な猛練習に耐え抜いた実体験からくる組織全体の高い自己効力感の表れだと感じました。そのような高い自己効力感がベースになって,スクラムを選択するという「勇気」を生み出し,逆転勝利につながったと思います。

強い組織レジリエンスをもつ今のラグビーJAPANの快進撃は,まだまだ続くと思います。次回はちゃんとライブで応援しよう。

決勝トーナメントに進出すれば,是非,大好きなオールブラックスと対戦してほしいなあ。南アフリカW杯の歴史的大敗の屈辱を晴らしてほしいものです。もちろんそのときは,JAPANを応援します。

2015.9.3

同調圧力に弱い私たち‐アッシュの実験からみるレジリエンスの重要性と必要性

秋の気配が漂ってきたのに,ブログの筆が進まない。夏バテが来ているのでしょうか?

先日,コーチング仲間との勉強会で,私が講師となり,チャルディーニの「影響力の武器」を共有しました。

「影響力の武器」に書かれている,人に影響を与える6つの原則(好意,返報性,一貫性とコミットメント,権威,希少性,社会的証明)は,心理学にとどまることなく,マーケティング(特にダイレクトレスポンスマーケティング)に広く活用されています。

勉強会に一人遅れて来られる方がいると聞いた私は,社会的証明のエビデンスとして,有名な「アッシュの同調実験」を行いました。これは,ある1つの線と同じ長さの線を,3つの異なる線から選ぶという心理実験なのですが,複数の参加者のうち,1人の被験者以外はすべていわゆる「サクラ」で,3つの線のうち,あらかじめ明らかに誤った回答をするように申し合わせています。
遅れて来られた被験者が入場すると,おもむろに「ある種の知覚実験です。」と私が言って,試験が始まり,被験者以外のサクラ(今回は6名)が次々と誤った答えを回答し,最後に被験者に回答を求めて,同調して誤った答えを言うか,それとも同調することなく,毅然と正しい答えを言うかを調べる実験です。
アッシュの同調実験

結果,狙い通り,被験者の方は,同調して誤った答えを回答されました(被験者の方,誠に申し訳ございません)。

この実験から,人は,正しい見解を持っていても,集団内の意見がそれとは違うと,そちらの意見に追従してしまいやすいという傾向を示しています。「社会的証明」が如何に人の行動に影響を及ぼすかがわかりますね。

日本人は,他の民族に比べ,特に「社会的証明」に影響されやすい国民性をもっていると言われています。物事を冷静に思考することなく(思考停止状態で),大多数のメディアや伝聞情報に影響を受け,意思決定する人が如何に多いことか…。

レジリエンスの強い人は,状況を冷静に論理的に客観的に把握し,感情や行動をコントロールすることができますので,「社会的証明」の同調圧力にさほど影響を受けることなく,判断をすることができます。できるはずなんです。

同調圧力の程度は社会の鏡で,今の日本は,かなり同調圧力が強くなっているとどこかのメディアで紹介されていました(これも情報操作だったりして…)。いずれにしても,現代は,個人のレベルでも組織レベルでもレジリエンスの重要性と必要性が高まってきているということなのでしょう。

アッシュの同調実験からは,別の示唆も得ることができます。集団内の特定の一人(多くはリーダーシップをとる人)が,属する(または率いる)集団内の多数者の意見が変わったと判断すれば,前言を撤回し,あたかも前言なんてなかったかのようにふるまい,平然と真逆の主張をするという示唆です。

あれっ?? この構図,最近,どこかの主要都市の首長(かつとある政党の党首)が繰り出す言動を想起させるような…

皆様も「社会的証明」の悪用の罠にはまらないよう,レジリエンスを鍛えていきましょう。