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2020.9.28

郷愁にかられて思うこと

皆様、こんにちは。

レジリエンストレーナー、
ポジティブ心理学コーチ
iEP認定シニアMBAエグゼクティブコーチ®の
松岡孝敬です。

いつもブログをご愛読いただき、
誠にありがとうございます。

4連休が明け、福岡での研修の仕事があり、
前日から福岡に入り、
足を伸ばして故郷、久留米をふと訪れました。

9月初めの仙台でのアントレプレナーシップ勉強会で、
リーダーの原点回帰の話があり、
郷愁にかられ、自分の原点を見直したいと
思い、久しぶりに生誕の地を見たいと思ったのです。

豚骨ラーメン発祥の地、久留米で、
まずは久留米ラーメンを食べた後、
幼い頃によく連れていってもらった
石橋文化センターを、50年近くぶりに
訪れました。

写真の中央にあるペリカン彫刻のある噴水は、
オープンしてしばらくは、
プールとして無料開放しており、
幼稚園の頃に、親に連れられて遊んだ
記憶が今でも瑞々しく思い出されます。

石橋文化センターは、その名が示す通り、
久留米市出身の経営者、
ブリジストン創業者の石橋正二郎が、
故郷、久留米市の発展と文化振興のために
建設した総合文化施設です。
1956年に設立され、市民の憩いの場、
芸術文化を楽しむ場として親しまれてきました。

センター内の久留米市美術館(旧石橋美術館)は、
当時、久留米市出身の天才画家、
青木繁の作品を始め、
やはり久留米市出身の画家、
坂本繁二郎の作品など、
正二郎が私費を投じて蒐集した
数多くの絵画、芸術作品が展示されていました。

オープン当初は、福岡市にある美術館を
凌駕する作品を展示していたようです。
石橋正二郎の故郷久留米市の発展と、
文化振興を願う強い想いが感じられます。

1950年代後半から、久留米市は、
石橋正二郎の多大な貢献もあり、
まぎれもなく近代的文化都市で、
市民の幸福感あふれる街でした。

そのような風土が、
青木繁や坂本繁二郎以降も、
数多くの芸術家、俳優、ミュージシャンを
輩出したのではないかと推察します。

正二郎は故郷の文化振興に寄与しただけでなく、
教育の面でも社会貢献しており、
久留米市に拠点を置く
九州医学専門学校(のちの久留米大学医学部)
の敷地や校舎を寄付しています。

正二郎が貢献した久留米大学の付属である
久留米大学附設中学校・高等学校からは、
多くの経営者、法曹界のリーダーを
生み出しています。

芸術に造詣深く、故郷への貢献心の強い
石橋正二郎は、
多くの芸術家を育て、
多くのリーダーを育成した、
オーセンティックリーダーシップを持つ
稀有なリーダーといえるでしょう。

正二郎の長女は石橋安子さんと言い、
鳩山威一郎に嫁ぎ、
鳩山由紀夫、邦夫兄弟の母となります。

鳩山由紀夫元首相と、
故鳩山邦夫元衆議院議員の母方の祖父が
石橋正二郎となります。
鳩山邦夫さんは久留米を地盤に
衆議院議員に当選したこともありましたね。

多くの芸術家やリーダーの育成に
貢献した石橋正二郎さんは、
身近なところでのリーダーシップ教育は、
貢献できなかったのかもしれません。

日本のリーダーが交代した昨今、
郷愁にかられて故郷を訪れ、
改めてリーダーシップの育成、継承って
難しいなあと感じたのでした。

2020.8.24

サリーは楽観主義者

皆様、こんにちは。

レジリエンストレーナー、
ポジティブ心理学コーチ、
iEP認定シニアMBAエグゼクティブコーチ®の
松岡孝敬です。

毎日、殺人的な猛暑が続いていますが、
皆様、いかがお過ごしでしょうか?

くれぐれも熱中症にならないように
お身体ご自愛くださいませ。

COVID-19の感染拡大第2波の勢いも、
ようやく衰え、ピークを迎えたようですね。
先日、テレビの報道番組を見ていたら、
元厚労省医務官の木村盛世さんのインタビューが
流れてて興味深かったですね。

この人のCOVID-19に対する見解は、
私とほぼ同じで、
「最終的に新型インフルエンザより致死率が低くなるであろうと
想定される感染症に対して、
社会経済活動を止める合理的な理由が見つからない。」
「新型コロナは大化け物という誤った印象を
払拭しなければならない」
といったものでした。

『新型コロナ“特別視”は無用!』(木村盛世さんの記事)

テレビは、COVID-19の恐怖を必要以上に
増大させる偏向報道ばかりだったのですが、
少し報道の潮目が変わってきたのかもしれません。

4-6月のGDP-27.8%が衝撃的だったのでしょうか?

木村盛世さんの見解については、いずれ
ブログに取り上げるとして、
今回は、サリーのお話。

といっても、「魔法使いサリー」では、
ありません(古い!)

2009年1月15日、ニューヨークのハドソン川で
奇跡の不時着氷を成功させ、乗員乗客155名の
生命を救ったサレンバーガー機長(愛称、サリー
のことです。

この奇跡のエピソードは、
クリント・イーストウッドが監督し、
トム・ハンクスがサリーを演じて
ハドソン川の奇跡」として映画化されています。

先日、BSで映画とこのエピソードの
ドキュメンタリーが放映されましたので、
改めて見ました。
何度見ても、これ以上の奇跡はないと思えるほど、
奇跡ですよね。

私はリーダーシップ研修で、この出来事を
良く取り上げますし、
ニューヨークも大好きな街ですし、
起こったときからこのエピソードには
心を打たれた記憶がありますので、
何度もこの映画を観ました。

映画は、エンターテインメントとしても面白く、
旅客機が離陸して40秒後に鳥の衝突(バードストライク)
により、2つのエンジン全てが停止し、
ハドソン川に不時着氷して155名全員が救助される
過程をできるだけ忠実に再現していますので、
リスクマネジメントのお手本としても
興味深く見ることができます。

サレンバーガー機長は、バードストライクしてから
わずか208秒で、冷静に状況を把握し、
マインドフルネスに今ここに集中して、
さまざまな可能性を考えた上で、
ラガーディア空港に引き返さず、
ティダーボロ空港に緊急着陸を選ばず、
ハドソン川への不時着氷を決断します。

レジリエンスの極めて強い人ですよね。

ドキュメンタリーを見ていると、
サレンバーガー機長は、とても興味深い
次のような言葉を話されていました。

「私はある信念を持っている。
それは、現実的な楽観主義であるべきだという事だ。」

ハドソン川の奇跡は、
サレンバーガー機長の現実的な楽観主義
(戦略的な楽観主義)から起こったのかもしれません。

戦略的な楽観主義(方略的な楽観主義)は、
過去のパフォーマンスを肯定的に認知し、
将来のパフォーマンスに対する期待が高いとらえ方です。
さまざまな局面で成功しやすいという調査結果が出ています。

日本人は、このような戦略的な楽観主義は
苦手としていて、日本人に多いパターンは、
過去のパフォーマンスを肯定的にとらえるが、
将来のパフォーマンスに対する期待が低いとらえ方です。
これは防衛的悲観主義と呼ばれます。

心理学者、ジェリー・ノレムの研究では、
防衛的悲観主義と戦略的な楽観主義とでは、
得られる成果に変わりないとの証拠が出ていますので、
防衛的悲観主義と言っても、悲観する必要はありません。

昨今の状況を翻り、
COVID-19の感染拡大を報じるメディアを考えると、
楽観的な視点を過剰に嫌い、
冷静な判断・行動をするための情報を意図的に報じず、
防衛的悲観主義にも至らない、
一般的な悲観主義(私は破滅的悲観主義と呼んでいます)
的なとらえ方を誘導する偏向報道にとても疑問に
思い、日本人をミスリードしている問題を感じています。

それは、政府、厚労省の現状分析にも原因があるように
思います。
それらが複雑に絡み合って要因となり、
4月-6月のGDP-27.8%という現状になっているのでしょう。

今の日本という国は、政府とメディアによって両エンジンが
停止した旅客機のようです。
乗客乗員の生命を守り、幸福を創出するために
冷静に軟着陸させ、エンジンを修復し、
再び飛翔させなければならないと思います。

奇跡がなかなか起こらないのは、日本に
サレンバーガー機長のようなレジエンスの高い
リーダーがいないからと常に考えています。

私たちは、レジリエンスの強い
マインドフルネスに冷静に状況判断し、
私たちを幸福に導くリーダーを
そろそろ選ばなければなりません。

そう。サリーのような。

「マハリクマハリタヤンバラヤンヤンヤン」
と呪文を唱えて全てを解決してくれるような。
(あれっ、間違えた? 楽観主義ですから、ご容赦を)

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2016.9.29

とと姉ちゃんに見るリーダーシップ-対照的な2人のリーダーの共通性

皆様、こんにちは。

レジリエンス研修講師ポジティブ心理学コーチリーダーシップ開発コンサルタント

組織改革コンサルタント松岡孝敬です。

NHKの朝ドラ、「とと姉ちゃん」、とうとう今週で終了ですね。

あさロスに続き、来週から“ととロス”の日々がしばらく続きます。

ドラマの舞台が戦後の「あなたの暮らし」の雑誌を創刊する頃になったあたりから、

主人公の小橋常子と、名編集長の花山伊佐治という、

2人の対照的なリーダーの言動に非常に注目して見ていました。

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社員の意見やアイデアを尊重しつつ、自分のビジョン・目標を掲げ、

そのビジョンを自然に浸透させてリードする小橋常子社長と、

方や、部下の仕事ぶりだけでなく態度・礼節にもとても厳しく、

怒声を浴びせる叱責も厭わず、部下に対する以上に自分に対して、

ストイックに厳しい態度を示してリードする花山伊佐治編集長。

社員に対してきめ細やかな配慮を示しつつ、社員は家族の一員として絶対守ると、

父性的なリーダーシップを発揮する小橋常子さん。

一方、“昭和のお父さん”的な、厳格な父性をもって小橋三姉妹や部下を指導しつつ、

母性を感じさせる、感性豊かな文章や挿絵を描く花山伊佐治社長。

対照的なお二人のリーダーシップは、

早くにお父様を亡くされ、父代わりに姉妹を支えた経験や、

早くにお母様を亡くされ、お母様の苦労を認識していた経験が

影響しているかもしれません。

まあドラマの世界なので…。

小橋常子さんと花山伊佐治さんのリーダーシップ、両極端ですが、共通性もあります。

それは、レジリエンス(逆境力)とオーセンティシティ(真正さ、自分らしさ)です。

お二人のリーダーシップは、典型的なオーセンティックリーダーシップだと思います。

お二人とも、オーセンティックリーダーの要素を備えています。

レジリエンスの強さについては、それぞれ、言語を絶するような戦争時の生活を

乗り越えた経験を持っていますので、それがレジリエンス資源になっているのでしょう。

その共通する体験が、「女性の豊かな暮らしを取り戻す雑誌を創る」という、

ビジョンの共有につながるのでしょうね。

そして、オーセンティシティ(真正さ)については、

それぞれの人生の歩み、旅路が深く影響していることは言うまでもありません。

人生のさまざまな経験を経ることによって、それぞれのリーダーは、

自己の強さや弱さ、価値観・道徳観を認識し、自分の価値観・信念に一貫した行動をとり、

部下・スタッフ・周囲の人々にも先入観をもたずに公平に接することができる。

お二人とも素晴らしいリーダーで、

素晴らしいオーセンティックリーダーシップを発揮しています。

このようなオーセンティックリーダーシップは、誰でも開発・実行することができます。

不肖、私、10月24日(月)に、パソナウィメンズキャリアカレッジ東京校様にて、

リーダーシップ開発講座に登壇させていただきます。(詳細は↓をクリックしてください)

【ダイバーシティ推進プログラム】ダイバーシティ時代を生き抜く‘本物の’リーダーシップ開発講座
ご興味のある方は、是非、ご参加くださいませ。

最後は、自分が登壇する公開講座の宣伝でごめんなさい。

花山伊佐治さんに怒られるかも( ノД`)シクシク…