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2015.3.26

レジリエンス基礎セミナー,東京2回目終了しました。

3月25日(水),エッサム神田ホールでレジリエンス基礎セミナーを開催しました。東京で2回目です。今回は,IT関連の人材派遣会社の社長様と,大阪の人材育成関連会社(同業者ですね)の社長様に出席いただきました。じっくり時間をかけてワークというよりはフリーディスカッションを入れて充実したセミナーができました。ご来場いただきました受講者の皆様には感謝感謝です。
社員の人材育成と社員教育は,会社経営者の永続的な悩みだなあと思いました。今回のセミナーでは,レジリエンス・トレーニングの一部「思い込みの対処法」について,本来,ペアワークで行っていただくところ,私が,2人の社長様の“思い込み”を手なづけるコーチングをしました。存外,それが大好評で,一人の社長様の社員に対して抱いていたネガティブな感情がかなりポジティブな感情に変化したとおっしゃっていただき,これだけでもセミナーを開催した甲斐がありましたね。社内研修での導入も積極的に考えるとおっしゃっていただき,嬉々として気分よくセミナーを修了しました。
終了後は,八重洲口の沖縄料理の居酒屋で,オリオン生ビールで乾杯です。有意義な一日でした。

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3月26日(木)は,18時30分より,大阪のハービスPLAZA5階第7会議室でセミナーを行います。皆様,ふるってご参加くださいませ。

2015.3.24

新入社員と恋愛との相関関係-フェネチルアミンの分泌期間

もうすぐ4月。初々しい新入社員が入社する時期ですね。25年前の新入社員の頃を思い出します。もっとも私の新人の頃はバブルの絶頂期で,私を含めた新人たちは,世の中をすっかりなめきったような驕った態度が多く見られたように思います(私の思い込みかもしれませんが…)。
仕事に対する意欲や情熱をもって入社する大学卒新卒者も,3年たつと30%以上は離職するデータが出ています。ある業種だと60%は離職していますね。どの業種かは想像におまかせします。
3年という期間と,先日の月9のドラマを観ててふと思い出したのが,フェネチルアミン(フェニルエチルアミン)という脳内ホルモンです。異性に興味をもったり,何かに集中しているときに分泌され,特に恋愛に関係する代表的な恋愛ホルモンです。
このフェネチルアミン,恋愛初期には著しく分泌されます。恋の始まりのときめき感やドキドキ感は,このホルモンが脳内に大量に存在するからなんですね。「愛は盲目(love is blind)」状態は,このホルモンの仕業です。ところが,フェネチルアミンの分泌は長くは続かず,恋愛が始まってから早くて半年,長くてせいぜい3年から4年で分泌されなくなります。恋の賞味期限は3年といったところなのでしょうか?フェネチルアミンの分泌が終わった後も継続するカップルは,お互いを冷静に見て理性的に判断し,ポジティビティが高まって,別の愛情ホルモン“オキシトシン”が分泌され,永続的な愛情深い関係が続くのでしょう。だからポジティビティを高めてレジリエンスを強化することは,ビジネスにおいても恋愛においても重要になるのです。(後半は私の仮説です。エビデンスはありません。)
話が恋愛の方向に行ってしまいましたが,新入社員があこがれの会社に入社するのも恋愛に似ていて,おそらく入社当初は,フェネチルアミンがばんばん分泌されているのでしょうね。フェネチルアミンは別名「やる気物質」と言われていて,恋愛時でなくても気持ちを上向きにさせる作用がありますから。「君(会社)のためなら死ねる」とか,「君(会社)の幸せは僕の幸せ」とか思っていることなんでしょう。それと似たようなことを入社時の決意披瀝で多くの新人が言っているのをニュースで聞いたことがあります。ところが三年も経てば,当初の恋心はすっかり冷めきり,「こんな人(会社)だとは思わなかった。」とか,「もっとふさわしい人(会社)がいるのかもしれない。」なんて思って新たな恋(企業)を求めて離職・転職する。フェネチルアミンの分泌が終わるときと合わせたかのように。(少しロジックが強引にジャンプしているでしょうか?)
レジリエンスを強化してポジティビティを高めれば,フェネチルアミンの分泌が終わっても,オキシトシンが継続的に分泌され,新入社員と会社との良好な恋愛関係は続きます。レジリエンス・トレーニングが新入社員にも有効な科学的理由がここにあります。

2015.3.23

家具屋姫と裸の王様-ネガティビティ溢れるおとぎ話の行く末

夕方,偶然テレビのニュースを見ていたら,今注目の“家具屋姫”こと大塚家具社長,大塚久美子氏が生出演されていました。冷静でスマートな敏腕経営者といった印象を受けましたが,ポジティビティは感じなかったですね。ニュースの焦点が,一連の御家騒動の顛末とプロキシ-ファイトの勝敗だったので,とても会社のこれからのビジョンや,顧客や自分についてきてくれた従業員,ステークホルダーへ感謝する言葉などは(思っていると好意的に考えたとしても)お話しできなかったんでしょうね。
親父さんである勝久氏の会見も少しだけ見ましたが,久美子氏よりもはるかにネガティビティ溢れる,実の娘に対する憎悪に満ち満ちた会見でしたね。ついていく社員が可哀そうになります。娘の経営方針は,自分が築いていったビジネスモデルを全否定する行為だと認識したのでしょうね。その点について,テレビで久美子氏は,何度説明しても,思い込み,事実誤認を理解してくれなかったと嘆いています。
双方ともステークホルダーの利害を優先すると言っているところも面白い。そうでも言わないとプロキシーファイトに勝てないからなんでしょうが,同族企業や創業者一族の御家騒動は,ごく一部の株主(創業者を含む)にだけ利益を生み,大半のステークホルダーは大損する場合が多いですね。過去に起こった一連の御家騒動を見ればわかります。そう考えれば,先の2人の発言は滑稽でしかないですね。
プロキシーファイトの勝敗がどちらに転ぼうとも,ネガティビティに満ち満ちた企業の風土をポジティビティの高い,良い方向に転換させるには相当な努力が必要でしょう。外圧がかからないと転換しないかもしれません。
しかし,今回の御家騒動の構図,内部で同胞たちの対立をあおり,戦わせると言った近現代の戦争の構図と奇妙なぐらい似通っていると感じるのは私だけでしょうか?

2015.3.22

革命家にオプティミストが多い訳-楽観性とレジリエンス・リーダー

先日,大阪でビジネススクール時代の友人と飲んで話していたとき,革命を成し遂げたリーダーの話題が上がりました。その友人は,とある中米の革命を成し遂げたリーダーをリスペクトしているのですが,そのリーダーや,中国,東南アジア,中東で革命を(大国の援助もなく)成功させたリーダーには,ある1つの共通点があるなあと感じました。
その共通点とは,楽観主義(オプティミズム)です。誤解のないように書けば,やみくもな楽観主義ではなく,“健全な楽観主義”でしょうか。過去の革命リーダーは,底抜けな楽観主義者が多いですね。自分の組織が壊滅状態に達しても,決して悲観せず,成功を信じて疑わない。発狂してるんじゃないかと錯覚するほど楽観的です。
楽観性が高いことは強いレジリエンスの構成要素の1つです。過去の革命家がことごとく楽観主義なのも,レジリエンスの強い人が多いからなんでしょうね。
ポジティブ心理学では,成功した人がオプティミスト(楽観主義者)になるのではなく,オプティミストこそが成功すると論じられています。世に言う革命を成功させたリーダーにオプティミストが多いのも,ある意味,真理なのかもしれません。
ただ,革命を成し遂げた楽観的なレジリエンス・リーダーも,長く権力の頂点に座り続けると,いつしか堕落・腐敗し,レジリエンスは弱まり,ポジティビティは低下し,やがて自身も組織も衰退・崩壊の道をたどります。一方で,どんなに権力を保持続けても,決して堕落せず,レジリエンスとポジティビティを高いレベルに保ち続けるリーダーも少ないですが存在します。そのようなリーダーこそ,組織を持続的な繁栄に導く真のリーダーです。私は,レジリエンスの強い人を数多く育成したいと考えていますが,それ以上に,永続的にレジリエンスとポジティビティを高いレベルで持ち続ける真のリーダーも数多く育てたいと思っています。
真のリーダーとは,どのような人物か,このブログでこれから紹介していきたいと思っています。

2015.3.21

営業マンとレジリエンス‐レジリエンス・トレーニングの有効性②

前回のブログの続きです。営業マンにとって,レジリエンス・トレーニングは,現状を打開し,目標達成に向けたオプションを見出すトレーニング,または顧客を納得させる論理的なクロージングの訓練に有効なようです。

先日のレジリエンス基礎セミナーでのこと。レジリエンス・トレーニングの一環として行ったワークでは,最近起こった困難な状況,困った出来事から生じたネガティブな感情・反応を認知し,思い込みを対処する方法を試みました。認知行動療法でいう,エリスのABCDEモデルを用いてワークを行ったのですが,これがなかなか難しいようですね。エリスのABCDEモデルは,「人の感情や反応・行動は,出来事が原因ではなく,出来事に対する個人の捉え方・考え方の違いによって生み出され,出来事に対する捉え方・考え方を変えれば結果として感情や行動を変えることができる」という理論が前提にあります。そこでワークでは,困った出来事(adversity)から生じたネガティブな感情や行動(consequence)を確認し,その後,その感情や行動はどのような思い込み(beliefまたはperception)から発生したのか,思い込みを見つけ出します。そして,その思い込みを論理的・合理的に反論(dispute)して,ネガティブ感情や行動をポジティブに変化させる効果(effect)を確認します。
このABCDEのモデルを応用するとき,自分の一連の行動を分析してABCDEに当てはまるのが難しいようですね。Adversityに思い込みや感情を入れたり,Consequenceに状況や思い込みを組み込んだり。最も難しいのは,感情や反応を発生させる思い込みの認識ですね。多くの方は,状況からくる感情や反応には思い込みはないと感じていると思います(心理学でいうオートパイロット)。ですが,それも“思い込み”で,なんらかの感情や反応には,必ずその人のbelief,perceptionが存在します。日本人は,感情認知やperceptionの確認が本当に苦手なようです。欧米では,感情認知の訓練を義務教育で行うようですね。
そこで,レジリエンス基礎セミナーにこのABCDEモデルを使った感情認知と思い込みに対する反論のワークをすると,思いのほか好評でした。特に,思い込みを論理的合理的に反論するプロセスにおいて,思い込みや状況を論理的に分析・思考し,さまざまな肯定的な可能性を見出して反論する過程は,営業マンが,売り上げ目標達成が困難な状況に陥っても,ロジカルシンキングによって現状を打開し,課題を解決する多くの選択肢(オプション)を発見するトレーニングにもなるし,顧客を論理的に納得させるクロージングのトレーニングにもなると,受講された営業担当者の方々から教えていただきました。
レジリエンス・トレーニングは,営業マンがセールススキルを向上させるにも有効なことが実感できました。