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2015.6.12

Dr.倫太郎で思うこと‐レジリエンスの重要性

最近、うちのカミサンがはまっているTVドラマがあります。「Dr.倫太郎」です。毎週水曜日は、2人で楽しく観ています。堺雅人さんは芸域の幅が広いですね~。私は倫太郎よりも古美門研介弁護士の方が好きですが。

Dr.倫太郎

このドラマで蒼井優さん演じる新橋の売れっ子芸者、夢乃を苦しめているのが「解離性同一性障害」という精神疾患です。解離性同一症が正式な名称とか。

先日、ビジネススクールの後輩で、現役の精神科医の友人と飲んでいたとき、「Dr.倫太郎」の話題を彼にふりました。日本では解離性同一症の症例は非常に少ないそうです。その友人も長く精神科医として患者と向き合っているが、解離性同一症の患者を診たことはないし、その友人の同僚の医師も、解離性同一症の患者を診た経験は非常に少ないそうです。催眠療法が盛んで、さまざまなタイプのストレスが多いアメリカで多い症例ですね。

解離を引き起こすストレス要因は、①学校や兄弟間のいじめ、②親が子供を強圧的に支配するような親子の人間関係、③ネグレクト、④家族や周囲からの児童虐待、⑤殺傷事件や交通事故などをまじかに見た強烈なショックや家族の死の5つあるそうです。アメリカの解離性同一症の要因で多いものは④の児童虐待で、日本の場合は、①の学校や兄弟間のいじめや②の親子の人間関係だそうです。「Dr.倫太郎」の夢乃が解離した要因は、②と③のネグレクトでしょうか?

解離性同一症は、5つのストレス要因が引き金となりますが、もともと心に解離する傾向をもつ児童が発症しやすいそうです。その資質は、「解離の資質」といいます。

「解離の資質」は。「脆弱性(vulnerability)」と言い換えることができます。「脆弱性(vulnerability)」の反対の概念が「レジリエンス(resilience)」です。

解離性同一症の研究結果として興味深いのは、目に見える性格の特徴を「脆弱因子」と「レジリエンス因子」に分けると、「レジリンス因子」は「脆弱因子」のネガにはならないということです。「脆弱因子」があったとしても、それを超える十分な「レジリエンス因子」があれば、解離性同一症にはなりにくいし、PTSD(心的外傷後ストレス障害)もなりにくいという研究結果が出ています。「脆弱因子」の中には、信じやすい心や空想傾向も含まれていると思いますので、「脆弱因子」をすべてなくすと、創造性にかける子供が出てくるような気がしますね。「脆弱因子」を少なくすることよりも、「レジリエンス因子」を思いっきり増やせばよいのです。「レジリエンス因子」には、「自尊感情」、「安定した愛着」、「ユーモアのセンス」、「楽観主義」、「支持的な人がそばにいてくれること」などが含まれます。

レジリエンスを強化することが、若年層でも重要だという証左ですね。

ところで精神科医の後輩に、「蒼井優さんのような綺麗な患者さんが来院して、恋に落ちることはあるの?」と質問すると、そんなことはないとの回答でした。そりゃそうでしょうね。後輩は倫理観の強いドクターだったのでした。

2015.6.10

愛におぼれていますか?‐愛情あふれる言い訳

新しいPCにまだ慣れず,ブログを書くのをおろそかにしがちです。今は,東京の某ビジネスラウンジで書いています。

6月8日放送のNHK連ドラ「まれ」で興味深いシーンとセリフがありました。土屋太鳳さん演じるまれが一流パテシィエに至る自分の将来の予定表(ビジョンロードマップ)を示して夢を語っていると,小日向文世さん演じる天才パテシィエ池畑大悟から一喝されるシーンです。

池畑大悟曰く,「そんなくだらないものは捨てろ。バレンタインまでに愛におぼれろ!愛を知らない奴が美味い菓子をつくれるか!」

おぼれるほど愛を知らなくてもよいと思いますけど,後半の「愛を知らない奴が美味い菓子をつくれるか!」は賛成できますね。

ポジティブ心理学者のバーバラ・フレデリクソン博士は,ポジティブ感情のうち,「愛」が最も重要だと主張していますね。ポジティブ感情の最上位にある感情だと言っており,「愛」,「感謝」,「喜び」,「畏敬」などの他のポジティブ感情を生み出すとも言っています。「愛情」が豊かなほど,当然レジリエンスも強くなります。愛する人を思い出せば,心も折れたりせず,再起できますよね。

皆さんは,愛情を抱いて生きていますか? 両親や夫,妻,恋人,パートナー,兄弟姉妹,子供に愛情を注いでいますか?別に対象は人でなくてもかまいません。飼っている愛犬だったり,仕事であったり,好きな土地・故郷であったり,絵画であったり…。何一つ愛情を抱けない人は,本当にお気の毒だなあと感じます。そんな人はほとんどいないと思いますが。日本人は,ストレートな愛情表現が苦手ですよね。(私は違います。日本人離れしているのか?)

「自分を愛せない人は,他人を愛することなどできない。」ということわざがあります。皆さんは,ありのままの自分を愛していますか?ありのままの自分を愛せない人は,ことわざ通り,他人や対象物に本当の愛情を注ぐことは難しいでしょうね。

(自己愛パーソナリティー障害という精神疾患があるので,自己愛も過ぎると良くないんじゃないの?って思われるかもしれませんが,自己愛パーソナリティー障害やナルシズムの自己愛は,ありのままの自己を無視して虚像の自己を愛していると思います。)

かくいう私は,偉そうに「愛」を論じられるような立場ではなかったのでした。

今日は,私が最も愛情を注ぐべき最愛の方の誕生日なのです。本来ならバースデーパーティーを開かなければならないところ,東京出張中でかなわず。先方が怒ってなければ,金曜日の夜に2日遅れのバースデーディナーで赦しを請おう。愛情をいっぱい注いで。愛とワインに溺れる日々を過ごそう。先方が拒否しなければの話ですが…。

今日のブログは,大層に「愛」を語っている場合かっていうオチでした。いやはや愛は奥深い。

2015.6.6

魔法の言葉をもっていますか?-失敗への対処法

西日本は,梅雨入りしての初の週末になりますが,皆様,いかがお過ごしでしょうか?広島は梅雨らしからぬ快晴で,窓外の景色も清々しい朝を迎えています。

昨日のテレビを見ていると,元テニスプレイヤーの松岡修造さんが出ていて,彼の半生が描かれていました。非常に熱い人ですね~。同じ苗字なので親近感を覚えます。大学院時代,テニスをしていたときの私のあだ名も「修造」でした。もっともテニスが上手くてついたあだ名では決してなく,単に苗字が一緒なだけでついたものです。テニスコートでは,よく「修造のくせにそんなボールも拾えないのか!」とか「修造なのに何でそんなにサーブが遅くて入らないの!?」とか言われました。かなり皮肉のこもったあだ名でしたね。

その修造さんの語録が記された日めくりカレンダーが相当売れているそうですね。他人事だけど嬉しくなります。

修造語録で気に入っているのが,「失敗したときこそガッツポーズ」です。彼らしい彼ならではの失敗の対処法ですね。日本人は,失敗の対処法が苦手というか下手というか,学校教育のころから,失敗は悪とする風潮がありますね。言霊の国なので,「失敗」という言葉を言ったり書いたりすると,本当に失敗すると考えられるところがあるので,できるだけ事が起こる前に失敗とか言わないんですけど,さすが若い頃から単身ワールドツアーを回っていた修造さんならではの考え方だなあと思いました。

皆様は,失敗したとき,それに対処する“魔法の言葉”を持っていますか?

レジリエンスの強い人は,それぞれ独自の言葉を持っていて,失敗に対処し,ネガティブ感情を抑え,ポジティブ感情を高めるコツをもっているようです。

たとえば,前のブログで取り上げたネクシィーズの近藤太香巳社長は,失敗に接し苦境に立ったとき,別の近藤社長が心の中で,「ウソウソ」とささやくそうです。別の人格がアドバイスするところがポイントですね。本当の人格は,ちゃんと失敗から逃げずに現実として受け止めているところが重要なポイントと思います。

次に,植松電機の専務,植松勉さんの魔法の言葉。何か失敗すると,「うぉ~! そうきたか~!」と明るく嘆いて,「だったら,こうしてみたら。」とポジティブに転換するそうです。この場合も,失敗を誤魔化そうとせず,しっかり受け止めたのちにポジティブな方向に転換するところが素晴らしいですね。自然にレジリエンス・トレーニングをしているようです。

「うぉ~! そうきたか~!」と「だったら,こうしてみたら。」は,最近気に入って落ち込んだときによく使いますが,自分自身の魔法の言葉はまだ持っていません。

ただ,我が家では,私が何かしら失敗して落胆したときは,カミサンが私に言葉をかけてくれます。

「お・も・い・こ・み。 思い込みよ!」(滝川クリステル風←ちょっと古い)

やはり自分自身で“魔法の言葉”は持たないといけません。

2015.6.3

我が家のコンドゥイング-「感謝」を高める片づけ法

最近,片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんが再ブレイクしていますね。「TIME」誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた方です。

断捨離や片づけが苦手なうちのカミサンも影響を受け,とうとう近藤麻理恵さんの本を買ってしまいました。

海外では近藤流片づけをすることを“コンドゥイング”と言うとか。日経新聞に載ってましたね。

自分がときめくものだけ残してときめかない物は捨ててしまう。捨てるときは,「ありがとう」と感謝の気持ちをかけるとか。この方法が物を大切にする日本の伝統的な美徳として海外では捉えられているようですね。

ポジティブ心理学が広まっている海外では,「感謝」のポジティブ感情が高まると幸福度が増し,レリジエンスが高まることも認知されています。その意味でも,「感謝」の気持ちを高めるコンマリ流片づけは,海外の人たちに受け入れられ,影響を与えたのかもしれません。

このブログを書いている私のモバイルPCも,かなりガタがきていて,明日には新しいPCに買い替えるかもしれません。今のモバイルPCへ,どうもありがとう。

本棚から溢れている大量の本も,ときめくものとときめかないものに分けて捨ててしまおう。もちろん感謝をこめて。

それよりも大事なのは,自分がカミサンから“コンドゥイング”されないように努力することですね。最重要課題です。

2015.6.1

心が折れそうになったカリスマ経営者を救った人々

先日の5月29日,新宿文化センターで開催されたセミナーズファンフェスタ2015に参加しました。

そこに登壇したネクシーズの近藤太香巳社長の講演は,大阪弁でシンプルに話されてとてもわかりやすく面白かったですね。

近藤社長の起業する前から現在までの人生を伺っていると,まさにレジリエンスの塊のような強いレジリエンスを持った方ですね。自然に自分自身でレジリエンスを強化する方法を知っていたかのような人生を歩んでいるなあと感じました。

そんな近藤社長も,ナスダックへの上場が中止になったとき,心が折れそうになったそうです。ITバブルがはじけ,銀行がお金を引き上げ,支援者も次々と去ってゆき,2カ月後はキャッシュアウトして倒産する危機に直面する中,近藤社長を窮地から救ったのは,創業当時からの仲間だったそうです。ビジョンを共有する仲間は,本当の意味でのレジリエンス資源になるということですね。

近藤社長のエピソードは本当に面白く,レジリエンス・トレーニングの御手本になるようなものもあるので,機会があれば,改めてブログで紹介します。