ミドリムシって知っていますか?体長約80μmの淡水性単細胞生物です。ごくふつうに水たまりなどで見られます。名前に「ムシ」とついていますが,昆虫のような節足動物ではありません。どちらかといえば,緑藻類に近い生物です。高校の生物教科書では,クロレラやアオサなどの緑藻類に分類される場合が多いです。よく「植物と動物の両方の特徴を合わせ持つ生物」と言われていますが,分類上は植物でも動物でもないですね。どちらかと言えば,クロロフィルaとbをもって光合成をしているので,植物に近い。
この生物の学名から社名がつけられた「ユーグレナ」というバイオベンチャーが大活躍してますね。ミドリムシの大量培養に成功して,極めて栄養価の高いミドリムシを含む健康食品を製作・販売し,大ヒットさせたかと思えば,いすずと技術提携して次世代バイオディーゼル燃料を開発したり,アメリカの石油大手シェブロンから技術供与を受け,航空機向けバイオ燃料の製造に着手したり,しばらく目が離せませんね。株価も相当上昇しているみたいです。
このユーグレナを率いる出雲充社長,数多くの逆境や苦難,挫折を乗り越え,ミドリムシの大量培養と製品化に成功してます。著書「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」に創業から現在に至るストーリーが書かれています。温和なお顔をされていますが,相当にレジリエンスの強い方ですね。レジリエンスの強い出雲社長が経営する「ユーグレナ」という会社は,まさしくポジティビティが高く,組織レジリエンスも強いんでしょうね。人財も豊富で,かつ人材育成も企業内でしっかりされていることと思います。一度,取材に行きたいものです。
近い将来,ミドリムシからつくられたジェット燃料で飛ぶ航空機に乗って,ふつうに海外旅行に行く日が来たとき,出雲社長のビジョンが実現したときなのかあと思います。それにしても私も言ってみたい。「ポジティビティとレジリエンスで世界を救うことに決めました。」と。