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2020.10.12

人生は仕方がない

皆様、こんにちは。

レジリエンストレーナー、
ポジティブ心理学コーチ
iEP認定シニアMBAエグゼクティブコーチ®の
松岡孝敬です。

いつもブログをご愛読いただき、
誠にありがとうございます。

朝夕、めっきり涼しくなり、
日々秋が深まりゆくこの頃、
皆様、いかがお過ごしでしょうか?

今日は、とあるミニシアターのお話。

先日、何の気なしに、
めったに見ない時間帯で、
めったに見ないテレビ、
セブンルールを見ていると、
広島県尾道市にあるミニシアター、
シネマ尾道の支配人、
河本清順さんのセブンルールが
放映されていました。

尾道市は、小津安二郎監督の東京物語や、
大林宣彦監督の尾道三部作の舞台となったので、
映画の街としてご存じの方も多いかと思いますが、
2001年、映画館が全て閉館し、ゼロとなりました。

シネマ尾道は、映画の街、尾道で
生まれ育った河本清順さんが中心となり、
苦労して復活させたミニシアターです。

シネマ尾道のホームページ

私は、シネコンよりもミニシアターで
映画を観るのが好きなので、
今度、良い作品が上映されていれば、
訪れてみようと思います。

番組では、河本清順さんの
セブンルールが紹介されていて、
7番目のルールが印象に残りましたね。

そのルール7とは、
挫けそうなときはゴダールの台詞を思い出す
でした。

ジャン=リュック・ゴダール監督の
「女と男のいる舗道」という映画で、
アンナ・カリーナ演じる主人公の
ナナが言うセリフ、
人生は仕方がない
を、辛くてくじけそうなときに思い出すそうです。

河本さん曰く、
『明るい意味の『仕方がない』という言葉で、
壁にぶち当たったときとかは気持ちが
スッとするんですよね。』

この「人生は仕方がない」という言葉の意味は、
人生を思い通りにいかないと諦観する
気持ちを表しているものではなく、
むしろ、
人生には個人のコントロールできないことが
起こり、それはどうしようもないことなので、
あれこれ考えても仕方がなく、
自分の今できることを精一杯最善を尽くそう

という肯定的な意味ととらえられます。
少なくとも、私は、そうとらえています。

「仕方がない」と同じ言葉に、
是非もない」、「是非に及ばず」があり、
この言葉は、織田信長が本能寺の変において、
最後に語った言葉とされています。
「信長公記」にも記されています。

信長が極限で放った「是非に及ばず」も、
河本清順さんの好きな「人生は仕方がない」
と同様に、現状を憂いてあきらめる言葉では
決してなく、
「善悪の判断を今している場合ではない。
戦うしかない」という、
強い肯定的な意味合いが込められています。

挫折しそうな逆境に置かれても、
本能寺の変のような絶体絶命の状況においても、
今、この状況をマインドフルネスにとらえ、
できることとできないことを見極め、
今、自分ができ得る最善の行動をしようという、
レジリエンスな意味合いが、
「仕方がない」、「是非に及ばず」には、
込められているのですね。

ゴダールの「女と男のいる舗道」
私も昔、観たことがありますが、
主人公ナナのセリフ、「人生は仕方がない」は、
私の記憶が確かならば、
C’est la vie」(セラヴィ、これが人生よ
だったと思います。
「C’est la vie」を「人生は仕方がない」
を訳すあたり、翻訳者の高いセンスを感じられ、
素晴らしいですよね。

今放映されているNHK大河ドラマ、
「麒麟がくる」のクライマックスは、
本能寺の変になることでしょう。

織田信長は、当時、
海外の流行りものを日本でいち早く
取り入れていたハイカラな武将で、
イノベーターでした。

織田信長に扮する染谷将太さんは、
光秀に攻められた本能寺で言ってくれるはずです。
C’est la vie」と。

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2017.2.18

ダンスを踊るように生きよう-ポジティビティ3年目を迎えて

皆様、こんにちは。

レジリエンス研修講師、ポジティブ心理学コーチ、リーダーシップ育成コンサルタント、

そして在野のアドレリアン(自称)、松岡孝敬です。

本日2月18日は、株式会社ポジティビティの創立記念日です。

今日から弊社は、おかげさまで3年目に突入しました。

1年目は暗中模索の中、何もわからず何も見えずがむしゃらに試行錯誤を繰り返し、

2年目、飛躍の年となるよう活動しましたが、なかなか爆発的な飛躍には至らず…

ただ、徐々に弊社の存在や活動が認知され、社会に貢献できる環境が醸成しつつあることを

感じています。

これも、創業から変わらず応援していただいている友人・知人の皆様の賜物です。

心より感謝申し上げます。

3年目を迎え、弊社は、新たな事業を起こしてまいりたいと考えています。

人々の幸福度の向上と組織の繁栄を支援し、社会に貢献する

という創業当初からのビジョンを実現すべく、挑戦し続けてまいります。

ブログのタイトル「ダンスを踊るように生きよう」は、

岸見一郎さんのベストセラー、『嫌われる勇気』の1節から引用しました。

「人生とは、いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる、

連続する刹那なのです。…(中略)…いずれの生も「途上」で終わったわけではない。

ダンスを踊っている「いま、ここ」が充実していれば、それでよいのです。」

個人心理学の祖、アドラーは、著書の中で、

一般的な人生の意味はない。人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ。

「今、ここ」を充実して(ダンスを踊るように)生きるには、

自らの能力(強み)を活用して、他者に貢献すること。

私は、そう考えています。

そのように生きることができれば、常に幸福でいられます。

研修やセミナーでも、このことは必ずお伝えしようと思います。

「ダンスを踊るように生きよう」というフレーズから、

昔見た大好きな映画のワンシーンを思い出しました。

アル・パチーノがアカデミー主演男優賞を受賞した、

セント・オブ・ウーマン」(夢の香り)という映画です。

事故で盲目になった女性好きの退役将校(フランク)が、NYのレインボールームで、

ふと知り合った美貌の女性(ガブリエル・アンウォー)とタンゴを踊るシーンです。

女性が、「Afraid of making a mistake.(ステップを間違えるのが怖い。)…」

とためらうと、アル・パチーノ扮するフランクは、

「No mistakes in the tango, not like life.

It’s simple. That’s what makes the tango so great.

If you make a mistake, get all tangled up, just tango on.

(タンゴに間違いはない、人生とは違って。

単純なんだ。それがタンゴの素晴らしいところだ。

間違えて、足がもつれても、ただ踊り続ければいい。)」

と諭して見事なタンゴを踊る映画史に残る有名なシーンです。

フランクは、1つ間違ったことを言っています。

人生だって、タンゴと同じように失敗したって良いんです。

「今、ここ」に集中して踊り続ければ、充実した人生を送り続ければ。

弊社ポジティビティは、3年目を迎え、これからも、ダンスを踊るように事業を続け、

有意義な価値を提供して皆様に貢献するよう邁進します。

皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。

2015.7.2

幸運を引き寄せる力‐楽観性がもたらす組織レジリエンス

なでしこジャパンやりましたね。女子Wカップ準決勝,一度も勝てなかったイギリスに見事勝利して決勝進出!朝からテレビにくぎ付けで観てました。

前回の2011年Wカップとは異なり,今回は全試合テレビ中継されてますね。前回とはまるで注目度が違いますね。

周囲の注目度は違いますが,チームが試合を追うごとにまとまっていって強くなっている様子は共通しています。異なるのは,優勝経験チームなので,より戦い方を知っていることと,バランスの良い自信(自己効力感),リーダーの健全な楽観性が備わっていること。自己効力感も楽観性も強力なレジリエンス資源になりうるものです。

佐々木監督の,「今は負ける気がしない」という発言から,とても強い“健全な楽観性”がうかがえます。リーダーの健全な楽観性が,チームに幸運を引き寄せたのかなあと感じています。後半は,何度もイギリスのシュートがゴールをとらえたけど,バーに当たったり,キーパーが弾いたり,ぎりぎりのところで枠を外したりしましたので。幸運を引き寄せる力が強いのも強いチームの特徴なのでしょうね。

昔は,「勝つと思うな思えば負けよ」(柔 by 美空ひばり)と言われたように,気が緩んでしまうような(油断してしまうような)“無謀な楽観性”を戒める風潮があったのですが,今は,明確なビジョンと目標達成に向けた戦略に裏付けられる“健全な楽観性”は,チームマネジメントの上では歓迎・推奨されるようです。個人や組織のレジリエンスも高まりますしね。

試合後のなでしこジャパンのようすを見ていると,自己効力感や楽観性だけでなく,ポジティビティも溢れており,非常に良い状態に見えます。組織レジリエンスもピークに達しているように思います。

その他に,キャプテン宮間のキャプテンシーの成長・成熟が目覚ましく,期待しています。キャプテンとして臨んだロンドン五輪は決勝でアメリカに惜敗し,銀メダルに終わっているので,必ず雪辱を果たしてくれるでしょう。苦渋・試練・逆境を乗り越えた人やチームは,恐ろしくレジリエンスが高く,試合中にどのようなピンチに会っても動じず再起してくれるはずです。

というわけで6日(月)の朝もテレビから離れられません。

2015.6.26

日本の防疫・防災レジリエンスをつくった男‐後藤新平

韓国での中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大は収まる気配がないですね。対岸の火事ではなく,日本も十分な対策をとってほしいものです。

日本列島は四方を海で囲まれているので感染症の拡大も水際で防げるといった話は大昔の話で,今は飛行機で大量移動できる時代ですので,防疫面での日本の地政学的な利点は薄れていますからね。

明治初期の医師であり,のちに政治家でもある後藤新平は,防疫の重要性を強く感じ,その対策を誰よりも早く実行した人でした。

彼は,明治28年(1895年)の日清戦争時,帰還兵からの感染症が国内に拡大したときの危機的な状況を医師として十分に判断し,臨時陸軍検疫部事務官長として広島の似島検疫所で検疫業務に従事しています。まさに感染症を水際で防ごうとしていたのでしょう。後藤のことだから水際で防止するだけでなく,感染症が万一拡大したときのリスクマネジメントも考えていたかもしれません。

その検疫業務の行政手腕が,当時の臨時陸軍検疫部長の児玉源太郎の目に留まり,児玉が台湾総督に就任した際には,児玉は後藤を民政局長に抜擢しました。児玉と後藤の2人を中心にして,新渡戸稲造などの行政能力の高い優秀な日本人が集まり,台湾は統治されていました。このときも後藤は,仮に災害が発生したり,感染症が流行しても,都市機能が速やかに復興できるような計画に沿って統治していたようです。まさにレジリエンス的な都市づくり・組織づくりですね。

関東大震災後,後藤は帝都復興院総裁に就任し,極めて迅速に帝都復興計画を策定し,議会に大幅な復興予算を通し,東京を災害に強い都市に変革しています。後藤が生きていれば,東北大震災からの復興計画がなかなか進まない今の現状を嘆いているかもしれません。

台湾民政局長時代,ダーティーな噂もある後藤ですが,ネガティブな一面も人間なのであるのでしょう。

後藤が亡くなって80年近く経ちましたが,後藤が残した検疫レジリエンスの精神はいまだ日本に脈々と残っていると信じつつ,隣国のMERS感染拡大が収束することを願っています。

2015.5.14

離職率を減少させる方法⑥-入社前研修でのビジョンの共有

最近,パソコンの調子が悪く,仕事もはかどらず,ブログも書けず,フラストレーションがたまる日々が続いています。感情のコントロールが難しい,レジリエンスが試される期間ですね。

入社前研修で重要なこと

最近の多くの企業では,内定者の人材マネジメントとして,配属面談,入社前メンター制度などのプログラムを実施しているところが多く,内定期間中に実施される入社前研修も広く普及されているようですね。私が入社前の内定者の頃は,バブルのまっ盛りなので,内定者研修と言えば,派手にお金を使い,アゴアシ付きで飲み食いさせてとにかく内定を取り消さないようにすることだけが目的の,研修とは名ばかりの宴会・懇親会でしたが,最近は違いますね。

最近の入社前研修は,楽しい宴会の雰囲気は薄くなり,しっかり教育・研修をしています。その中身は,資格取得支援,e-ラーニング,通信教育,課題レポートの提出,合宿研修,現場・店舗見学,現場実習などです。入社前から入社後即戦力になるようけっこう鍛えてようとしていますね。研修を行う側の企業の目的としては,内定期間の不安解消やモチベーションの中だるみ防止,他社に関心がいかないようにするための囲い込み,入社後の能力・スキルのばらつき防止などだそうです。
おそらく最後の囲い込みや能力・スキルのばらつき防止が主な目的ではないかと思います。早々と離職されるよりは先手を打って入社直後からしっかり働かせて費やしたコストの元をとってやろうぐらいしか思っていないんでしょうね。だったらコストのかかる入社前研修などやめてしまえば良いのに。日本の企業は未だに人は現場にでないと育たないとして計画的戦略的な人材育成が苦手なんだなあと研修の情報を調べてて痛感しました。

内定時には経営理念やビジョン・ミッションを共有させれば

入社前に現場実習を経験させて成功体験をつめば自信につながるとは思いますが,強烈な失敗をしてそれをケアするような研修をしなければ,かえって逆効果で入社前から自信を失い,無力感・敗北感などのネガティブ感情が蓄積し,離職につながります。

なぜ,企業は,入社前に役に立つかどうだかわからないけど学生が望むような資格取得支援をしたり,即戦力やスキルアップにはつながるかもしれないが自信を喪失させるかもしれない現場実習に拘るのでしょうか?そんなことをするよりも,企業の経営理念とかビジョンとかミッションとかクレドを共有するような取り組みをした方が良いように思います。それも打ち解けたポジティブな雰囲気で。内定しているとはいえまだ社員ではないので,がっつり「我が社のビジョンとは何か」なんてテーマでディスカッションすると内定者も引いてしまうけど,のんびりワークや遊びを入れてビジョンとかミッションの共有をすれば,内定者どうしの結束も高まって個々人のレジリエンスも強化され,会社への貢献意欲も高まり,組織レジリエンスも強化され,結果,離職率も減少するのに。

実は,持続的に繁栄している企業,エクセレントカンパニーは,このような入社前に企業のビジョン・ミッションを共有するようなプログラムを実行しています。だからこそ,社員が生き生きと働き,従業員幸福度も顧客満足度も高く,成長していけるのでしょう。

経営理念・ビジョン・ミッションの共有を行っていない企業は,察するに,「①ビジョンの共有なんて重要でない」と思っているか,「②ビジョンなんて対外的なものなのだから社員に共有させる必要はない」と思っているか,「③そもそもビジョンを明確化していない」のいずれかでしょう。

③のビジョンが明確化されていない企業は,悲しいですね。そのような企業は,企業のトップのキャラクターや価値観・世界観がビジョンになり経営理念になります。トップの人格が素晴らしければ良いんですが,ビジョンを明確化していない企業のトップの世界観・価値観は,どことなく社会に対する後ろめたい背徳感が感じられる場合が多いです(だからビジョンを明かさないのかも)。少なからずさまざまなタイプの企業と,その企業のトップと接してきた私の実感です。