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2015.4.1

同じミスを何度も繰り返す人の改善法‐レジリエンス・トレーニングの効能

先日のレジリエンス基礎セミナーのアンケートで,「何度も同じミスをくり返す人をどのように指導して改善できるでしょうか?」という質問がありました。おそらくその質問を書かれた方は,同じミスを何度も繰り返す部下がいて,その人材育成教育,社員教育に悩んでいるのでしょう。
「同じミスを何度も繰り返す」原因を論理的に分析すると,その人自身に起因する場合と,その人以外の環境に起因する場合に分けられます。その人以外の環境に起因する主なものは,手順の複雑さや,ミスが発生した外部環境の物理的な問題(作業のスペースが十分でない,装置の配置が適さないなど)があります。これらは,外的な問題点を改善すれば,ミスの反芻を解消することができますね。
その人自身に起因する場合をさらに分析すると,先天的な要因と後天的に備わった要因に分けられます。先天的な要因は,例えば極端な例ですが,大人のADHD(注意欠陥・多動性障害)のような場合です。ADHDの病因はいまだ不明ですが,行動を注意深く選ぶ働きをする脳の前頭前野や,衝動性を抑える働きをもつ大脳基底核が,健康な人に比べて機能していないといわれています。実際に,ミスを繰り返さない人と何度も同じミスを繰り返す人との脳の活動量を調べた研究では,ミスを繰り返さない人が一度ミスをすると,脳の前頭葉が活発に働いていましたが,何度も同じミスをくり返す人が一度ミスをしても,脳の前頭葉はあまり活動していなかったデータがあります。ミスを繰り返さない人は,ミスから学び,同じミスを繰り返さないメカニズムの存在が脳機能的に証明されているようです。後天的な要因としては,単純なワークのようなときに慣れや思い込みが生じて不注意なミスをくり返す場合でしょうね。
先天的な要因も後天的な要因も,レジリエンス・トレーニングを行えば改善できます。レジリエンス・トレーニングでは,ポジティブ感情を高めますが,ポジティブ感情が高めると前頭葉の活動が活性化され,注意力が拡張されますし,抑うつ傾向が減少して衝動性も抑えられます。また,レジリエンス・トレーニングは,状況を把握し,感情を認知し,反応をコントロールする適応力も身につくので,慣れや思い込みによるケアレスミスも激減すると思います。
レジリエンス・トレーニングが,人材育成,社員教育,とりわけ社員のモチベーション向上,生産性の向上に最適なトレーニングである理由がここにあります。

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