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2015.5.3

離職率を減少させる方法③‐コミュニケーション能力を高める

新入社員の悩み

4月に入社した新入社員が半年後に抱える主な悩みには,「仕事を続けられるか不安」,「先輩との人間関係」,「会社に対する不平不満」,「入社前に持っていた仕事イメージのギャップ」が上位を占めます(図1)。また,それらの悩みの原因として「コミニュケーションが円滑に行われていないから」と考えている新入社員は6割近くを占めるとの結果も出ています。
新入社員の主な悩み
図1 新入社員の主な悩み(2008年 翔栄クリエイト)

前々回のブログで,離職率の高い業種として,宿泊業・飲食サービス業,生活関連サービス業・娯楽業,教育・学習支援業,小売業,医療・福祉関連業を挙げましたが,いずれもお客様と多くの時間接する仕事で,高い対人能力が求められる業種という共通点があります。ただでさえコミュニケーション能力に不安をもつ新入社員が,接客中にトラブルや逆境にさらされ,失敗を引きづってしまうと,レジリエンスが弱まり,心が折れてしまうのでしょうか。そのような経験が蓄積すると,離職につながってしまうと推察できます。

アサーティブネス・スキル

レジリエンス・トレーニングを行えば,コミュニケーション能力,対人能力を高めることができます。それ以外にも,コミュニケーション能力を高めるには,アサーティブネス・スキルを習得することが効果的と思います。
アサーティブネス(自己表現,意見表明)とは,コミュニケーション技法の1つの形態であり,「自分と相手を尊重した上で,自分の要望や意見をその場に適切な言い方で誠実に対等に相手に伝えるコミニュケーションスキル」です。

コミュニケーションは,自分と他人の「個人の境界」をどう扱うかという点で「受動的なコミュニケーション」,「攻撃的なコミュニケーション」,「欺瞞的・作為的なコミュニケーション」,「アサーティブなコミニュケーション」の4つに分類されます。
受動的なコミュニケーションをする人は,自分の「個人の境界」を守らず,攻撃的な人々からの不当な言動を許容し,他人に影響を及ぼすというリスクを冒そうとしません。おそらく新入社員に多くみられるコミュニケーションでしょう。
攻撃的なコミュニケーションをする人は,他人の「個人の境界」を尊重せず,しばしば他人を攻撃します。高圧的な上司や,クレーマーに多く見られるコミュニケーションパターンですね。
欺瞞的・作為的なコミュニケーションをする人は,とげのある言い回しや廻りくどいやり方で人を責める人です・正面から人と向き合えないため,人を操ることで自分の望む方向にもっていこうとする人です。大衆を扇動して破局に導く“悪辣な独裁者”に多くみられます(関西のとある行政区画の首長がこのような方でないことを祈るばかりです。余談ですが…)。

これらの3つのコミュニケーションパターンと異なり,アサーティブなコミュニケーションは,自分の「個人の境界」を守りつつ,自分の心の中を開示することを恐れず,相手の「個人の境界」も尊重しつつ,攻撃的な侵入から自分の心を守ろうとします。そうして,誠実に適切に率直に,自分の意見を主張するコミュニケーションです。このコミニュケーションは,日本人が苦手とするコミュニケーションパターンですね。

アサーティブネス・スキルは,トレーニングで習得することができます。海外では学校教育でも導入しているようです。レジリエンス・トレーニングでも,アサーティブネス・スキルを強化するプログラムを組み込むことがあります。新入社員研修で,アサーティブなコミュニケーションスキルをトレーニングすることができれば,コミュニケーション能力の不安感が払拭され,離職率も減少すると考えられます。

アサーティブネスを身につけなくても,上記のコミニュケーションの4つのパターンを認識しておけば,怖い上司・先輩や,困ったお客様との接し方も変わってくるのではないでしょうか?

社員の心を鍛える技術!レジ離縁巣を教えます

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