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2015.9.6

タルトタタンのセレンディピティ-失敗から成功に導く認知の転化

土曜日の朝の連ドラ「まれ」を観ていると,興味深いシーンがありました。

まれの子どものうちの一人,6歳の男の子,匠(たくみ)くんがまれと一緒にケーキ作りをしていたとき,失敗ばかりするので,「もうケーキ作りたくない」と言い出したので,一計を案じたまれは,お父さんである紺谷圭太を巻き込んで4名であるケーキをつくることを提案したのでした。

りんごのタルトをつくり始めた圭太は,タルト生地をのせずにリンゴを砂糖とバターで煮詰めたため焦がしてしまいます。お父さんがケーキ作りに失敗したと思い込んだ匠たちは,一瞬しょげてしまいますが,タルト生地をのせてもう一度焼くと美味しくなるかもしれないというまれのアイデアを受け,再度タルト生地をのっけてリンゴを焼くと美味しいタルトタタンが出来上がるという件でした。そして,失敗しても工夫すれば美味しいケーキができると体験した匠は,ケーキ作りの失敗に臆病になることなく,消極的になることなく,ケーキ作りにチャレンジすることになったのでした。
タルトタタン

絵に描いたようなレジリエンスキッズの育て方ですね。こんな風に育てられた子どもは,失敗を過度にナーバスに感じることなく,失敗から何かのヒントを得て成功へ導くかもしれません。

料理にも自然科学にみられるようなセレンディピティってあるんですね~。スイーツの苦手な私は,タルトタタンという洋菓子が失敗の産物とは知りませんでした。

セレンディピティとは,「偶然から幸運なものを見出す能力」とか言われています。自然科学の例でいえば,フレミングがアオカビを誤って混入させた培地から抗生物質ペニシリンが発見されたケースがあまりにも有名ですね。ノーベル化学賞を受賞した白川秀樹さんの導電性プラスチックの発見や,田中耕一さんの高分子質量分析法の発見もセレンディピティの例として知られています。

失敗したと思っても,そこから何かしら得ようとするあきらめない気持ちがセレンディピティを生み出し,ひいてはイノベーションを創るのでしょうね。そう考えるとセレンディピティもレジリエンスが強くなかったら発揮できないかもしれません。

そうでしょうね。レジリエンスの弱い人は,培地にアオカビの混ざったペトリ皿を見ると,「ああ失敗した」と思ってすぐに培地を捨ててしまうかもしれないし,焦げたリンゴを見ると,「こんなまずいものはどうやったって上手い菓子にならない」とあきらめてゴミ箱に投げてしまうかもしれません。

それを教訓に,失敗しても過度に落ち込まず,失敗から成功に転じる何かを得ようとする姿勢を貫こうと思いました。レジリエンスは日常生活のいかなるときにも大事な力(フォース)ですね。

よくよく考えれば,高級甘口ワインの貴腐ワインや,シャンパンもセレンディピティだった。貴腐菌に感染してしわくちゃになったブドウを試しに絞って醸造してみようと勇気も好奇心もあるレジリエンスの強い醸造家がいなければ,今現在,私たちはソーテルヌのシャトー・ディケムは飲めなかったわけだし,シャンパーニュ地方の修道士,ドンペリニヨンが発酵途中のワインを誤って瓶詰めしなければ,シャンパンを今頃楽しめなかったわけですからね。

レジエンスの高い昔の醸造家とドンペリニヨン修道士のセレンディピティに乾杯! 感謝感謝!!

なにがなんでも最後はワインの話に持ってくる私にも乾杯!!

社員の心を鍛える技術!レジ離縁巣を教えます

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