皆様,こんにちは。
レジリエンス研修講師,ポジティブ心理学コーチの松岡孝敬です。
今回のブログは,「スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲」を題材に,スターウォーズとレジリエンス・トレーニングの第5弾をお送りします。
エピソード5は,ルークがダゴバ星に隠遁していたマスター・ヨーダの元を訪れ,本格的にジェダイの騎士になる修行を積み,また,ダースベイダーと初めて対決するストーリーが展開されます。
特に印象深い件は,ダゴバでの修行ですね。
最初,ヨーダは,ルークが年をとりすぎていることと,辛抱が足りないといった理由で,ジェダイになるためのトレーニングをルークに科すことを拒みます。(あれっ?確かお父さんのアナキンも同じような理由で最初ジェダイの訓練を拒まれたような…)
それでも,フォースの霊魂と化したオビ=ワンが説得し,ジェダイの騎士になるための厳しい修行が始まります。
ヨーダの修行は,小さな成功体験を積み重ねてフォースの正しい使い方を教えたり,自らがお手本となってフォースの使い方を見せたり,ジェダイの使命とは何かを諭してジェダイとなるべきムードを高めたり,「もうできない」とかすぐに諦めてしまう忍耐力の乏しいルークを,独特の言動で励ましたりしています。
これは,レジリエンス・トレーニングでの自己効力感(自信)を高めるトレーニングに非常に通じるものがありますね。
心理学者のアルバート・バンデューラは,自己効力感を高める要因として,「1.成功体験」,「2.お手本(ロールモデル)」,「3.ムード」,「4.励まし」の4つがあると主張しています。
まさに,ヨーダの指導は,
1.成功体験⇒小さなフォースの成功体験の積み重ね
2.お手本⇒自らがフォースの偉大な力を示す。
3.ムード⇒ジェダイとしての使命を伝える。
4.励まし⇒ルークでもジェダイになれると激励する。
というように自己効力感を高める合理的な方法を実践しているように思えます。
最も印象深い修行は,洞窟での修行です。そこでは,ダースベイダーの幻影が待ち構えており,ルークはライトセーバーでダースベイダーを倒しますが,倒したダースベイダーの仮面が割れるとそこにはルーク自身の顔が表れるという…修行です。
この洞窟での修行は,2つの大事な要素を暗示しています。
1つは,暗黒面の怖さ。どのような有能なジェダイでも,憎しみや恐怖をもって戦いに望めば容易にダークサイドに堕ちてしまうという戒めをヨーダはルークに教えたのではないかと思います。やはり,ヨーダやオビ=ワンは,アナキンがダークサイドに堕ちてしまったことをかなりのトラウマと感じていることも伺えます。
2つめは,ダースベイダーを倒すことは,自らをも滅ぼしかねないという宿命を諭したのではないかと思います。ダースベイダーを倒すことができるのは,唯一のジェダイであるルークしかいない,しかし,ダースベイダーを倒すことは自分自身を滅ぼすことになるといった試練を教えたのではないかと感じます。最大の試練ですね。
この洞窟のシーンは,スターウォーズファンの間でも,解釈がさまざまで面白いですね。
ところで,エピソード5のルークとダースベイダーとの初対決のとき,ダースベイダーは,ルークを追い詰め,とどめを刺すことができたにもかかわらず,それを意図的にしなかったように思います。父である自分とともにダークサイドに寝返ることを確信していたからでしょうが,こういうところにも,今だダースベイダー(アナキン・スカイウォーカー)に善の心が残っていることがうかがえるかと思います。