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2015.3.16

日本人の男気と厚切りジェイソン-レジリエンスな男 黒田博樹

カープの黒田投手が日本球界に復帰し,オープン戦でも好投して順調な仕上がりを見せていますね。3月15日のマツダスタジアムはオープン戦にもかかわらず2万人以上のファンで埋め尽くされていました。今年の広島は熱くなりますね。
黒田のカープ復帰会見で語られた内容に,アメリカのファンはかなりナーバスになっているようです。それは報道陣からメジャー人生の総括を聞かれて,「一言で言うと苦しかったですね。言葉も分からない中で、1シーズン162試合をずっと戦い抜く中で、体力的にも含めて、7年間は楽しいというよりも、苦しい思いの方が多かったんじゃないかと思います。」という発言が,どういうわけだか,「クロダはMLBでenjoyできなかった」と誤って伝えられたようですね。20億円のヤンキースの継続オファーを蹴って4億円のカープを選んでことに対して,ただでさえ不可解に思っているアメリカ人に対して,この発言は,厚切りジェイソンの決めセリフ

厚切りジェイソン

Why! Japanese people!

って思わせたんでしょうね。エンジョイできなかったのに7年間であんな好成績を残せたなんて。そんな黒田にも,アメリカ人は最大の敬意を払って,ポジティブなエールを贈ってますね。「彼はあの年齢で際立って安定していた。フィールドではすべて出し尽くしたように見えた。彼はMLBでの日々を誇りにすべきだ。人生に幸福あれ」とか,「アメリカで投げ続けてきたピッチャーが日本に行き、言葉も分からず、同僚とも会話ができないという状況を想像してみてほしい。それは厳しいよね。エンジョイしてほしい。あなたはアメリカでいいピッチャーだったのだから。」というポジティブストロークを贈っています。アメリカ人もあっぱれですね。ただ黒田をリスペクトしているからこそ,エンジョイできなかった(と誤訳された)発言は相当ショックだったんでしょう。黒田は発言で「エンジョイできなかった」とは一言もいっていないのに。日本語を英訳するのは難しいですね。
昨日の某テレビ番組を見ていると,黒田のカープ復帰を決断させたのは,カープファンや球団フロントの熱い思いをくんだとか。カープファンがカープを去っても遠くから見守っていたからこそ,言葉の壁という逆境を乗り越え,7年間メジャーの第一線で活躍できたのでしょう。それでそのファンに恩返しするため,古巣に復帰するという。まさに男ですね。男気溢れるレジリエンスの強い男。
とにかく活躍してほしいですね。年なのでケガだけには注意して。ただ,ニューヨークの大好きな私にとっては複雑な気分です。

2015.3.12

ミドリムシで海外旅行に行く近未来

ミドリムシって知っていますか?体長約80μmの淡水性単細胞生物です。ごくふつうに水たまりなどで見られます。名前に「ムシ」とついていますが,昆虫のような節足動物ではありません。どちらかといえば,緑藻類に近い生物です。高校の生物教科書では,クロレラやアオサなどの緑藻類に分類される場合が多いです。よく「植物と動物の両方の特徴を合わせ持つ生物」と言われていますが,分類上は植物でも動物でもないですね。どちらかと言えば,クロロフィルaとbをもって光合成をしているので,植物に近い。

この生物の学名から社名がつけられた「ユーグレナ」というバイオベンチャーが大活躍してますね。ミドリムシの大量培養に成功して,極めて栄養価の高いミドリムシを含む健康食品を製作・販売し,大ヒットさせたかと思えば,いすずと技術提携して次世代バイオディーゼル燃料を開発したり,アメリカの石油大手シェブロンから技術供与を受け,航空機向けバイオ燃料の製造に着手したり,しばらく目が離せませんね。株価も相当上昇しているみたいです。

このユーグレナを率いる出雲充社長,数多くの逆境や苦難,挫折を乗り越え,ミドリムシの大量培養と製品化に成功してます。著書「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」に創業から現在に至るストーリーが書かれています。温和なお顔をされていますが,相当にレジリエンスの強い方ですね。レジリエンスの強い出雲社長が経営する「ユーグレナ」という会社は,まさしくポジティビティが高く,組織レジリエンスも強いんでしょうね。人財も豊富で,かつ人材育成も企業内でしっかりされていることと思います。一度,取材に行きたいものです。

近い将来,ミドリムシからつくられたジェット燃料で飛ぶ航空機に乗って,ふつうに海外旅行に行く日が来たとき,出雲社長のビジョンが実現したときなのかあと思います。それにしても私も言ってみたい。「ポジティビティとレジリエンスで世界を救うことに決めました。」と。