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2020.8.17

羞恥心とCOVID-19感染防止

皆様、こんにちは。

レジリエンストレーナー、
ポジティブ心理学コーチ、
iEP認定シニアMBAエグゼクティブコーチ®の
松岡孝敬です。

先日、二泊三日で妻の実家まで帰省し、
墓参して自宅に戻ってきました。

巷では、COVID-19の感染拡大を防ぐために
不要不急の外出を避け、お盆の帰省も控えている方が
多いようですが、
私の行動は、不要不急なものは一切なく、
私の行動は全て必要であり、かつ、急を要するものなので、
どなたにも禁じられることなく、
自分の判断で行動し、帰省しました。

妻の実家で、妻や義母さんと会話していると、
話題はやはり新型コロナウイルスのことでした。

話を聴いてみると、COVID-19のことを気にしているのは、
感染すること自体は、さほど恐怖を感じていないが、
周囲に感染者がいないので、
自分が地域の感染者第1号になるのは、
「ご近所または近しい周囲の人に申し訳ない」という
いわば「未必の罪悪感」が、COVID-19のことに
強く関心を示す理由になっているようです。

もしくは、自分が周囲で感染者第1号になると、
「ご近所または近しい周囲の人に恥ずかしい」という
恥、羞恥心からくる理由のようです。

日本人の場合は、罪悪感よりも恥の感情の方が
強いでしょうね。

かつて、ルース・ベネディクトが「菊と刀」で
記したように、
日本人は、「罪の文化」よりは、「恥の文化」
があるようですから。

私たち日本人は、世間や他人の目を気にする
恥の意識があり、
日本では、周囲の感情や思惑に従って行動する
傾向が強いようですね。

そのような恥の意識が、
政府の「活動自粛要請」という
強制力のないお願いレベルであっても、
自主的に活動を自粛し、
COVID-19の感染拡大に苦しむ海外の他国と比べても、
さほど感染が拡大しなかった原因の1つかもしれません。

心理学者のブレネー・ブラウンは、
羞恥心とか罪悪感とかのネガティブ感情を
研究している方ですが、
著書の中で、恥について、
「恥とは自分の欠陥のゆえに愛や居場所を得るのに
値しないと思い込む、激しい痛みの感情または経験」
と記しています。
そして、
「恥は、つながりが断たれることに対する
不安や恐怖を生み出す」

つまり、私たち日本人のCOVID-19感染を回避する
行動の裏には、
「感染したら、周囲から避けられる嫌われる、
関係性、つながりが絶たれる」という思い込みと、
恥の感情があるようですね。

恥の感情が強いと積極的な行動が取れず、
どころか、自分の思い込みに沿わない行動を
とる人たちを排除しようとする、否定的な
行動を誘発します。
「自粛警察」のような過剰な行動をとる人が
それに当たりますね。

私たち日本人に多い「恥の意識」は、
感染拡大を抑止していると同時に、
建設的な行動をとらず、過剰な否定的な行動を
誘発する負の側面もあります。

そのような「恥の意識」を克服し、
建設的な積極的な行動をするには、
「恥を知る」こと、
「恥」の正体である思い込み、
「周囲から嫌われ、避けられ、
ご縁が切れるかもしれない」という思い込みを
ありのままにとらえ、処理する必要があります。

ポジティブ心理学コーチング的な
アプローチで、「恥の意識」の
負の側面を克服できると思います。

ちなみに私は、
COVID-19に感染しても、すぐに発症しないので、
当然、恐怖は感じないですし、
さんざん感染に留意して感染した場合は、
不可抗力なので恥ずかしいとも思いません。

「周囲から避けられる、ご縁がきられる」
という思い込みもありません。
その程度で、つながりがなくなるという
方々は、その程度の関係だったのでしょうと、
ありのままに受け止めるだけです。

仮に他者に伝染させた場合も
(そもそもそんなこと証明できないのですが)、
細心の注意を払って感染させてしまえば、
もう防ぎようがないので、
「申し訳ない」と思うしかないですね。

そのようにして「恥」や「罪悪感」
というネガティブ感情の負の側面を克服し、
解放し、自分の信念に基づいて、
どなたに命じられることも強いられることもなく、
自分の判断で自分の行動を決めていきます。

少し、楽観的でしょうか?
でも、現実的な楽観主義、
戦略的楽観主義って、実は大切ですよね。

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2018.5.23

Be honest! 金美齢氏に見るしなやかな凛としたレジリエンス

皆様、こんにちは。

レジリエンストレーナー松岡孝敬です。

かなり久しぶりのブログ更新です。もっと更新頻度を高めねばと思いつつ、

つい怠ってしまう。これからはマメに更新していこうと思います。

さて、今回は、最近、感動した講演会の様子をレポートしたいと思います。

過日、私も講師をさせていただいている、

大阪のピーチウィメンズビジネススクールの開講式があり、

招かれて出席しました。

ピーチウィメンズビジネススクールの詳細は、

下記をクリックしてみてください。

ピーチウィメンズビジネススクールの案内ページ

開講式の最後は、金美齢氏が基調講演され、私も拝聴しました。

月並みな表現ですが、素晴らしい講演でしたね。

そして、とてもレジリエンスの強い女性だと僭越ながら拝察しました。

当初の基調講演の演者は、野田聖子総務大臣が予定されていたのですが、

急きょ重要な会議が入り、ピンチヒッターで金美齢氏が登壇されたのでした。

そんな状況を全く不快に思わず、むしろ講演の(笑いの)ネタにする余裕ぶり。

「私はよくピンチヒッターに呼ばれるんです。

安倍晋三総理のピンチヒッターもしたことがあるし、

李登輝さんやマハティールさんのピンチヒッターもしたことがありました。

それはとても光栄なことで、そんな風に代役として真っ先に私の顔が浮かび、

お声をかけてくださることはとても有難く大事なことです。」

そんなようなことをお話しされていました。

李登輝氏やマハティール氏の代役が務まるなど、

一方ならぬ人物でしかできないので、それをさらっと嫌味なく

朗らかにお話しされる様子に、しなやかな凄みを感じました。

「人生はゲーム。節目節目で自分のカードを使って

さまざまな試練を乗り越えなければなりません。

私は、台湾から日本に来日したときは、カードを持っていないどころか、

4枚のマイナスのカードを持っていました。

それは、女性であること。欧米でない台湾という小さな国の外国人であること。

既婚者であること。そして子を持つ母であること。

それらの4枚のカードは、仕事をする上で、キャリアを積んでいく上で、

マイナスに働くと当時も今も考えられがちですが、

私は、むしろプラスのカードとしてとらえて今日まで人生を楽しんできました。」

私の記憶が確かであれば、そのようなことを金美齢氏はお話しされたかと思います。

「人生において、カードを使うときは適切なときにしなければなりません。

それは、天・地・人に従うというか、天の時、地の利、人の和に従った方が良いです。

カードを使うときは、天のとき(Something great)が教えてくれます。

それを察するには、地の利、特に人の和を大事にして生きる。

人の和を大事にするというのは、何事も誠実に振舞うこと。Be honestであること。

真善美に従い、清く正しく美しく生きることが大事です。

清く正しく生きることはさほど難しくないけど、

美しく生きることは苦手としている人が多い。

美しく生きるには、美しいもの(自然、芸術作品)に多く接することです。」

もはや講演に酔っていた(ワインに酔っていたわけではありません)私は、

金美齢氏は、おそらくかようなことをおっしゃっていたと記憶しているのでした。

レジリエンスの極めて強い人は、それを自覚していて、かつ、

人生において、ナチュラルに自分のレジリエンスを強化する方法を実行されていると

強く感じました。ポジティビティ溢れる人だと。

齢84歳の女性が、講演中立ちっぱなしで、物腰柔らかい口調でジョークを交えながら、

予定された時間ぴったりに聴衆を感銘させる講演を終えられました。

その後の質疑応答も素晴らしく、ある女性の、

「女性が男性社会の職場で仕事をするには、何度か心が折れるときがあるかと思います。

金美齢先生は、心が折れたときどのように対処されましたか?」

という質問に対して、金美齢氏は、間髪入れずにスパっと、

「心は折れない!」

「日本の方は、よく心が折れるなんて表現をしますが、

私は、心が折れるという表現をしたことはないし、心が折れるなんて考えたこともない。

心は折れるものじゃないんです。心が折れると考えるから折れるのです。」

激しく同感で名答です。

中国生まれ香港育ちの女性の、

「私も金美齢先生と同じように外国人で女性という立場で日本の企業で仕事をしています。

マイナスのカードを持っている状態ですが、今後どのようにすればよいでしょうか?」

という質問に対して、

「マイナスのカードをプラスのカードにすれば良いのです。

プラスのカードとして捉え、適切なときに使えば良いのです。

それには、人の和、協力者、良い仲間をつくること。

それをつくるには誠実であることです。」

これも名答ですね。素晴らしいです。

しなやかに凛とした人生を送られたレジリエンスの強い素晴らしい女性の講演を

すっかり堪能した1.5時間でした。

最後に、金美齢先生、天・地・人の話になって、

「日本は、地の利に関して、皆さん日本人の方は気づいていませんが、

世界でナンバーワンです。」とおっしゃっていました。

私も全く同感だったので、少しびっくりしました。

地の利に関して、なぜ日本が世界でナンバーワンなのか?

それは、いずれ気が向いたらブログで書こうかなと思います。

2017.7.3

『心理学実践講座』第5回開催しました。

皆様、こんにちは。

レジリエンス・トレーナー、ポジティブ心理学コーチ、

リーダーシップ育成コンサルタント、

そして自称、在野のアドレリアン、松岡孝敬です。

昨日、7月2日(日)は、主催する『心理学実践講座』第5回「科学的に目標を達成する」

の開催日でした。

4月23日から6回シリーズでスタートした本講座も、5回を終了し、

いよいよ次回、7月23日(日)の第6回「ストレスマネジメントとレジリエンス」で

春講座は完結します。

アドラー心理学とポジティブ心理学をベースにした、

対人関係と業績を劇的に改善する本講座、

東京や大阪での企業研修では実践的なセミナーと高評価をいただいていたのですが、

広島で、一般の方向けの公開講座として開催するのは、正直、不安な部分もありました。

講座を開始した直後から、その不安は解消しました。

受講生の皆様が真剣にワークに取り組み、

講座の学びを肯定的に楽しんでいらっしゃったからです。

日常生活や仕事で役立つ実践的なワークを多く取り入れたのも、好評だったようです。

実際に講座で学んだことを月曜日から実践されてとても役立ったとの

有難いご意見も頂戴しております。

第5回の昨日は、科学的(脳科学的)に目標を達成する方法や、

グリットの高め方をお話しし、

ワークを通して受講者の皆様とともに学びました。

講座の準備の過程や講座当日の学びから、世の中の偉業は、決して天才の業績ではなく、

とてつもなくポジティブで具体的で良質な未来記憶を脳に常駐させ、

周囲の理解に支えられて極めて高いグリット(やり抜く力)を保ち続けた、

“普通の人”の業績なんだなあと痛感しました。

受講生の皆様に支えられて有意義な『心理学実践講座』も完結に向かいますが、

10月15日から『人生が楽しくなる心理学講座』として同じ講座の秋講座が始まります。

詳細は下記をクリックしてください。

『人生が楽しくなる心理学講座』募集ページ

心理学的、脳科学的に、幸福度、レジリエンス(逆境力)、グリット(やり抜く力)

が高まる講座です。

受講すれば、劇的に対人関係が好転し、業績が改善し、仕事と人生が楽しくなります。

是非、受講くださいませ。20名限定ですので、お早めにお申し込みください。

早割特典もあります。

本講座の内容をさらに充実し、かつ、心理学的に面白く、

自己認識力とメタ認知力が高まるアドバンス講座も予定しております。

こちらは今月下旬にご案内できる予定です。ご期待くださいませ。

今回の6回シリーズの講座を開催することで、

熱心な受講生の皆様との交流を深めることができ、

自分自身も多くの学びを得ることができました。

春講座最終回の7月23日も、心を込めてお伝えし、

受講生の皆様にとって有意義で価値ある講座に

なりますよう、最善を尽くします。

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2017.2.18

ダンスを踊るように生きよう-ポジティビティ3年目を迎えて

皆様、こんにちは。

レジリエンス研修講師、ポジティブ心理学コーチ、リーダーシップ育成コンサルタント、

そして在野のアドレリアン(自称)、松岡孝敬です。

本日2月18日は、株式会社ポジティビティの創立記念日です。

今日から弊社は、おかげさまで3年目に突入しました。

1年目は暗中模索の中、何もわからず何も見えずがむしゃらに試行錯誤を繰り返し、

2年目、飛躍の年となるよう活動しましたが、なかなか爆発的な飛躍には至らず…

ただ、徐々に弊社の存在や活動が認知され、社会に貢献できる環境が醸成しつつあることを

感じています。

これも、創業から変わらず応援していただいている友人・知人の皆様の賜物です。

心より感謝申し上げます。

3年目を迎え、弊社は、新たな事業を起こしてまいりたいと考えています。

人々の幸福度の向上と組織の繁栄を支援し、社会に貢献する

という創業当初からのビジョンを実現すべく、挑戦し続けてまいります。

ブログのタイトル「ダンスを踊るように生きよう」は、

岸見一郎さんのベストセラー、『嫌われる勇気』の1節から引用しました。

「人生とは、いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる、

連続する刹那なのです。…(中略)…いずれの生も「途上」で終わったわけではない。

ダンスを踊っている「いま、ここ」が充実していれば、それでよいのです。」

個人心理学の祖、アドラーは、著書の中で、

一般的な人生の意味はない。人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ。

「今、ここ」を充実して(ダンスを踊るように)生きるには、

自らの能力(強み)を活用して、他者に貢献すること。

私は、そう考えています。

そのように生きることができれば、常に幸福でいられます。

研修やセミナーでも、このことは必ずお伝えしようと思います。

「ダンスを踊るように生きよう」というフレーズから、

昔見た大好きな映画のワンシーンを思い出しました。

アル・パチーノがアカデミー主演男優賞を受賞した、

セント・オブ・ウーマン」(夢の香り)という映画です。

事故で盲目になった女性好きの退役将校(フランク)が、NYのレインボールームで、

ふと知り合った美貌の女性(ガブリエル・アンウォー)とタンゴを踊るシーンです。

女性が、「Afraid of making a mistake.(ステップを間違えるのが怖い。)…」

とためらうと、アル・パチーノ扮するフランクは、

「No mistakes in the tango, not like life.

It’s simple. That’s what makes the tango so great.

If you make a mistake, get all tangled up, just tango on.

(タンゴに間違いはない、人生とは違って。

単純なんだ。それがタンゴの素晴らしいところだ。

間違えて、足がもつれても、ただ踊り続ければいい。)」

と諭して見事なタンゴを踊る映画史に残る有名なシーンです。

フランクは、1つ間違ったことを言っています。

人生だって、タンゴと同じように失敗したって良いんです。

「今、ここ」に集中して踊り続ければ、充実した人生を送り続ければ。

弊社ポジティビティは、3年目を迎え、これからも、ダンスを踊るように事業を続け、

有意義な価値を提供して皆様に貢献するよう邁進します。

皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。

2017.1.9

他者に関心を持つということ-宮本輝の「長流の畔」を読んで

皆様、こんにちは。

レジリエンス研修講師、ポジティブ心理学コーチ、

自称、在野のアドレリアンの松岡孝敬です。

今日は1月9日(月)、三連休の最終日、皆様、いかがお過ごしでしょうか?

今日は成人式ですね。30年以上前の鹿児島で迎えた成人式を思い出します。

私が成人だった頃から読み始めた、宮本輝著「流転の海」シリーズの最新刊、

第8部「長流の畔」を、先日、家内の実家に帰省した際、読了しました。

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タイトルにある長流は、兵庫県東部を流れる円山川を指していて、

小説のクライマックスでの重要な舞台になっています。

家内の実家の近くにも円山川が流れていて、

何か因縁めいたものを感じつつ一気に読み進めました。

「流転の海」シリーズは、宮本輝のお父さん、宮本熊市氏をモデルにした、

松阪熊吾が主人公の長編小説です。

破天荒で情に厚く豪快な、いかにも明治生まれの気骨ある男、松阪熊吾の、

戦後、50歳近くになって授かった一人息子(松阪伸仁、宮本輝がモデル)

の成長を見守りつつ、一家を支えつつ、

戦前、戦中は、事業で大成功して羽振りの良かった熊吾が、

戦後は、信じていた友人や仕事仲間に裏切られ、没落していく物語です。

現在、雑誌「新潮」に連載されている第9部「野の春」でシリーズは完結します。

大学時代からのテルニストとしては、

「流転の海」シリーズが終わるのは寂しいと思いつつ、

テルニストは誰もが知っているお父さんの哀しい最期を思うと、

早く小説は完結してほしいという気持ちがない交ぜになっています。

しかし、レジリエンスの強い男ですね~。松阪熊吾。

起業家としての才能はありながら、生来の人情の厚さから、人を信じやすく、

自分を慕う後輩や同郷人、周囲の人々には、

信じられないくらいの気配り、心配り、貢献をします。

それこそ、アドラーが警告する“自己犠牲を払う他者貢献”の典型のような…。

そして自分の可愛がった後輩から裏切られても、それを赦してしまうような寛容さもある。

宮本輝は、かつてお父さんの宮本熊市氏から、

哀しい別れというものを味わったことのない人間とは、おつきあいしたくない

ということを言われたそうです。「別れの船」という短編集で紹介してます。

若い頃、私は、この意味がよくわかりませんでした。

アドラー心理学やポジティブ心理学を学びつつある今は、

なんとなく意味がわかるような気がしてきました。

哀しい別れ」とは、対人関係を交わさなければまず起こりえない。

人は一人では絶対生きていけない。何らかの対人関係は必ず付きまとう。

哀しい別れ」とは、自己を否定せず肯定せず、ありのままに受け入れ、

かつ他者に強い関心を抱いた人だけに起こりうる感情ではないかと。

そう考えるようになりました。

この世は、別れに満ちています(by宮本輝)。私もいろいろな別れを経験してきました。

父との死別、敬愛する師との死別、予想だにしなかった親友との死別、

最愛の人との別れ、意見の相違による盟友との別れ…。

ただそのような別れも、自分を受容し、他者に関心を持たなければ、

つまり、幸福でなければ起こりえない。

哀しい別れ」を経験するということは、

その人が他者に関心を持ち、心配りできる幸福な人であることの証左だと思います。

宮本輝のお父さんは、本能的にそれを理解していたので、

あのような言葉を伝えたのでしょう。

今年は、「流転の海」第9部「野の春」の刊行を心待ちにすることにします。

かつて、大学時代に交際していた女性(そして哀しく別れた女性)から、当時、

『「流転の海」の松阪熊吾って、松岡くんに似ているね』

と言われたことがあります。

喜んでよいのか、悲しんでよいのか、そんな記憶が蘇ってきた。

まさか、それが原因で…(笑)。