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2015.4.24

生きてるうちは挑戦せなあきまへん

先日,介護事業会社の社長とお話ししていて,非常に興味深い老婦人の話を伺いました。
その方は,現在90歳ですが,10年前の80歳のとき,パソコンを習い始めたそうです。80歳で今まで習ったこともないパソコンを学び始めるのも凄いですが,習い始めてすぐに2台のPCを壊してダメにしたそうです。でも全く諦めず勉強を辞めないところも凄い。なぜなら新しいことを習い始めるのが大好きだからとのこと。
80歳になるまで,さまざまなことを経験し,何度も「もうあかん」とか,「死にたいわ」とか思うときが会ったけど,その都度,「死んでしもうたら,新しく面白いことができひんわ」と思い直して生きてきたとのお話しでした。何というレジリエンスの強さ。
そのおばあちゃんが,80歳のとき,3台目のPCでパソコンを改めて習い始めようとしたときに,介護事業会社の社長に話した言葉,「生きているうちは挑戦せなあきまへん。」80歳になっても今流行りの“終活”など眼中になく新たな学びに挑戦するおばあちゃんだからこそ重みが出てくる言葉ですね。
そのおばあちゃんは90歳になる今でもご壮健で,社長とPCでメールのやりとりをしているとのこと。さらに嬉しいことに,その社長は,私の基礎セミナーで習った“レジリエンス”が気に入り,メールマガジンで折に触れ,レジリエンスを説明されているとのことでした。レジリエンスの嬉しい連鎖ですね。
90歳のおばあちゃんのレジリエンスの強さを伺うと,レジリエンス講師の仕事が何だか虚しくなりますが,老婦人のレジリエンスに最大の敬意を表し,明日も仕事を頑張っていこうと思う私でした。

2015.4.21

心乱れる昼下がりのひとときからのフロー体験

今日は,昨日とは一転して晩春の陽気な天気でしたが,仕事面でもプライベート面でもレジリエンスが試されるような心乱れた一日でした。特に午後は,自分でもどこからこみ上げてくるかわからない憤りとかイライラ感がおさまらず,感情のコントロールが難しい状況に陥りました。夕方になって心を落ち着かせ,今日は夕飯の当番だったと気を取り直して夕飯の支度にとりかかると,時間を忘れて夕飯作りに没頭していました。こういう時間を心理学でいう「フロー」というのでしょうか。

フローとは,『人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態』をいい,ポジティブ心理学者であるミハイ・チクセントミハイが提唱した概念です。スポーツの世界でよくゾーンに入ったとかいう現象もフローと同じだと思います。

フロー体験が成立するには3つの条件が必要になります。1つは「明確な目標」,2つ目は「挑戦と能力のバランス」,3つ目は「具体的なフィードバック」。今回の夕飯づくりは,明確に美味しい料理をつくり,前回上手くつくれなかったメニューに再挑戦するという目標がありました。また,私にとって料理は挑戦であり,適度に能力を少し超える技術を必要とするものなので,挑戦と能力のバランスもとれていました。そして,めったに料理を褒めない家内からの予想を超えた好評をもらい,具体的なフィードバックもいただきました。3つの条件がそろいましたね。まさにフロー。

フロー体験後の効果には,自己成長,モチベーションの増加,心的エネルギーの高まり,充実度・幸福度の向上などがあります。レジリエンスも当然強化されます。チクセントミハイは,フローを長く継続することが創造性を高めるとも言っていたような…。

何はともあれ,午後のあのたちの悪いネガティブ感情はどこにいったのだろう??すっかり気分がポジティブになり,良かった良かった。

2015.4.20

雨男の心理学-“すっぱいぶどう理論”的社会貢献

今日は一日雨でした。雨っていうと,マイナスなイメージを持たれる方が多いかと思いますが,私は雨は嫌いではないです。これが雨男と言われる所以でしょうか?梅雨の時期に生まれたからでしょうか?

私の雨男ぶりは,友人・知人には有名で,何か屋外のイベントに参加して雨が降ってしまうと的面,私のせいにされてしまいます。花見だったり,サッカー観戦,野球観戦だったり,仲間内の研修・勉強旅行もそうでした。予報では降水確率0%の晴天のときも私が参加を決めると雨が降ったりしたことも数多くあります。最近では,雨などと生易しいものではなく,爆弾低気圧や台風が1つや2つ襲来することもあります。私は嵐を呼ぶ男なのです。

大切な日に雨が降ったために生じる不満は,心理学では「認知的不協和」と呼ぶそうです。このとき,不協和なままでいると,人はフラストレーションを起こすので,「雨男である松岡さんがいるから雨が降ったんだ。」と不合理な理屈をつけてでも不協和を軽くしようとします。もちろん,「自然現象だから仕方がない。」と合理的に考えても認知的不協和は軽減されます。普通,そう考えてくれてもよさそうなものなのに…。

欲求が満たされないとき,欲求と現実のギャップを埋めるために都合のよい理屈をつけて埋め合わせる人の心理的機能をイソップ童話から引用して“すっぱいぶどう理論”と呼びます。大事なイベントが雨で台無しになった原因を雨男のせいにするのは,“すっぱいぶどう理論”ということですね。

まあ不合理ながらも友人の認知的不協和を少しでも軽減することに貢献できる私はなんと幸運な男なのでしょう。そう捉えれば,雨男とレッテルを貼ってくれた多くの友人に感謝しなければ…。ポジティビティもレジリエンスも高まってきました。

窓外の降りしきる雨を見ながら,そんな他愛もないことを考えていた一日でした。

2015.4.19

ホッとする朝の出来事

今朝,ジョギングした後のこと。クールダウンしていると,お母さんに連れられて2歳くらいの小さな女の子が目の前を歩いてきました。私のランニングウェア姿が珍しかったのか(ごく普通のウェアなんですが??),それとも私からオキシトシン(癒しのホルモン)が分泌されていたのか,その女の子は,ストレッチしている私を興味深げに凝視しながら歩いていたのでした。お母さんから距離が離れていくのも気づかずに。トコトコと。
お母さんも途中で娘が変なおじさんに興味津々で歩みを緩めているのに気づき,私に軽く会釈して娘に早く着いてくるように促したのでした。(お母さんは,私のことを特段不審な人だとは思ってなかったことは言うまでもありません。)
女の子は,いまだ好奇心がおさまらない様子で私の方に余所見をしながらお母さんの方へ小走りに近寄ったのでした。私がほほ笑みながら手を振ってバイバイすると,女の子も笑いながら手を振って去って行きました。

子ども1

日常の何気ない出来事なんですが,ホッと癒されましたね。仕事上で辛い決断をした後だっただけに,ポジティビティも高まり,レジリエンス資源も蓄積されました。
明日からまた心が折れず頑張れそうです。

2015.4.18

己のことばかり考えるヤツは己をも滅ぼすヤツだ!

先日,商談したときのこと。個人の資産相続・運用のコンサルをされている方と,セミナーか研修かのコラボができないかお話しをしていたときの話です。
クライアントの中には,同族企業のオーナー経営者もいるとのお話しだったので,私は,事業承継時の人材育成の重要性,後継者リーダーシップ育成の研修プランなどを説明し,レジリエンス・トレーニングやレジリエンスリーダー養成研修,オーセンティック・リーダーシップ研修の有効性をとくとくと説明させていただきました。しかし,レジリエンスを強化すれば,人も組織も持続的に繁栄するといった話は心に響かなかったようですね。信じられないと。「ホンマかいな?」と懐疑的な反応でしたね。
従業員のレジリエンスを高めたって会社の収益にはつながらない,むしろ,優秀な従業員に育ってしまったら会社を辞めてしまうのでかえって損失だといった“思い込み”が頭の中にあるんだろうなあと推察しました。従業員のレジリエンスが強まり幸福度が高まれば確実に生産性が上がり,収益アップにつながると思いますが,ネガティブバイアスを持っている方に伝えるのはなかなか難しいですね。
確かに従業員のレジリエンスが強化されると,自立心・創造性が高まり,新たなフィールドに挑戦するため,退職する可能性もあるかもしれません。だからといって従業員のモチベーションを低いままにしておくのもマネジメントとしては逆効果と思いますけどね。
組織レジリエンスを高めるには,従業員のレジリエンスの強化も必要ですが,それ以上に,経営トップリーダーのオーセンティックなリーダーシップが欠かせません。オーセンティックなリーダーシップ育成プログラムも説明しましたが,その方のクライアントの経営者の方々は,組織を永続的に成長させることよりも,自身の資産相続を最優先に考える方々だそうです。自分の資産を守るためには従業員を全て解雇してもかまわない。自分の健康と自分の資産が守られれば,別の会社を興す時,従業員なんてまたすぐに雇えば良いんだから。資産が守られれば自分が経営している会社をM&Aしてもかまわないと。それはそれで1つの考え方だなあと思いつつ,自分の会社の従業員の雇用を守れず,満足度も上げず,駒や奴隷のようにしか考えられない利己的なリーダーは,決してレジリエンスは高くなく,新たに会社を興しても上手くいかないでしょうね。

ブログタイトルの言葉は,映画「七人の侍」で,志村喬さん演じる島田勘兵衛のセリフ。集落を守るために村から離れた三軒の離れ家は守れないと言われた住人が,独自に自分たちだけの家を守るため集団から離脱しようとしたときに話された名セリフです。

「離れ家は三軒,集落は二十軒。離れ家のために二十軒を犠牲にすることはできん。また,村を踏みにじられて離れ家の生きる道はない。良いか,いくさとはそういうものだ。人を守ってこそ自分を守れる。己のことばかり考える奴は己をも滅ぼす奴だ!」

七人の侍

中小企業の経営リーダーにこそ,利他心のあるリーダーシップが求められます。そんなレジリエンスの高い,オーセンティックなリーダーを育ててゆきたいと強く思います。