会社概要

2015.10.31

パフュームと人気セミナー講師との共通点-おじぎと感謝とレジリエンス

皆様,おはようございます。

レジリエンス研修講師,ポジティブ心理学コーチの松岡孝敬です。

先日のアメトークを観ましたか? 「パフューム芸人」。

パフューム芸人

パフュームの活躍は素晴らしいですね。日本にとどまらず,海外でもあんなに活躍しているとは。まさに広島の星ですね。

小さい頃,広島本通りでお母さんとビラ配りしていたなんて。今の活躍ぶりからは想像もつかないですね。

番組で流れたライブを観ていて印象に残ったのが,観客へのおじぎの長さと深さ。

何と40秒もお客様におじぎをしていました。素晴らしい。下積みが長く,デビュー当初からもがき苦労したからこそ,支えてくれるお客様やスタッフへの絶えない感謝の気持ちが,あのおじぎに表れているのだろうと推察します。

パフュームのおじぎを観て,とある人気(超がつく)セミナー講師のセミナーを思い出しました。

「坂田公太郎」さんというセミナー講師です。爆発的モチベーターとして活躍されており,人気セミナー講師を養成する講座も主催されています。

下の写真の右の方が坂田公太郎さんです。

坂田公太郎さんと

坂田さんも,セミナーのスタートは,長い時間,おじぎをされます。

最初は,受講者の気を引き付けるためのパフォーマンスかなっと穿って観ていたのですが(坂田さん,どうもすみません),坂田さんの過去の苦労や逆境,試練を乗り越えたエピソードを伺うと,決してパフォーマンスのような軽いものではないことがわかります。

坂田さんご自身からは,長いおじぎの理由を伺ったわけではないので,今から書くことは全くの私見とお断りしたうえで,書かせていただきます。

坂田さんのおじぎは,いままで支えてくれたお客様,そしてこれからも支えてくれるであろう受講者のお客様への感謝の気持ちを表現しているのだと推察します。

まさに,ジェイ・エイブラハムが唱える,「顧客を愛せよ」を実践している方。

感謝というポジティブ感情は,「幸福度を高める」,「ネガティブな感情を中和させる」,「身体の健康につながる」,「思いやりが生まれる」,「前向きでいる」といった効果があります。パフュームのライブを見終わったお客様も坂田さんのセミナーを受講し終わった方も,一様に幸福度が高く,前向きな気持ちが芽生えている様子なのも,会場が,全面的に感謝のポジティブ感情が高まった場だからこそなのでしょうね。

感謝のポジティブ感情が高まると,レジリエンスも強化されます。

最近,レジリエンス資源が消耗しつつあるので,感謝のポジティブ感情を高めないと。

というわけで(どういうわけなのか?),今夜は広島のとあるライブハウスで,大好きなNY在住のjazz pianist率いるカルテットのライブを聴きに行きます。

素晴らしいライブを聴かせてくれる及部恭子さんに感謝。広島のライブハウスに感謝。そしてなにより,快く一人jazz鑑賞を許してくれたカミサンに感謝。

もちろん,つたないブログを愛読していただいている読者の皆様に,最大限の感謝を表します。

2015.10.28

意志力(ウィルパワー)の磨き方を学ぶ-移動中のレジリエンス資源

皆様,おはようございます。レジリエンス研修講師,ポジティブ心理学コーチの松岡孝敬です。

先日,出張の帰り,移動中に読む本を切らしたので,駅構内の書店で物色したところ,3年前にベストセラーになった,

ケリーマクゴニガルの「スタンフォードの自分を変える教室」の文庫本があったので,ちょうどよいと思い,購入して移動中に読んでいました。

ケリーマグゴニガル

生来,あまのじゃくなところがある私は,ベストセラーになると,読まなくなるといった変な癖があるので,この本も,3年前は見向きもしなかったのですが,初めて読むと,科学的なエビデンスに裏付けられた内容が豊富で,とても勉強になりますね。

本書は意志力(ウィルパワー)の磨き方,保ち方を,さまざまなエビデンス,実例をもとに詳しく解説され,意志力の磨き方の方法・モデルをわかりやすく解説されます。

意志力は,レジリエンスを発揮する上でも重要な力ですので,研修のワークのリソースにもなりますし,何より自分のレジリエンス資源にもなりましたね。

詳細な書評と,中身の紹介は,後日,ブログで解説するとして,今回は,印象に残ったフレーズを2,3披歴します。

「モデル・ライセシング」が判断を狂わせる。

ドーパミンは「幸福感」をもたらさない。

「いつわりの希望シンドローム」がもたらす(間違った)快楽

エビデンスベースの研修・コーチング,コンサルティングを心掛けている私としては,本書で紹介されているエビデンスは本当に参考になります。

さて,今日は,都内某所で,セミナーの集客システムのお勉強です。

マクゴニガル博士がいう,「どうにでもなれ効果」に陥らず,

「いつわりの希望シンドローム」にかかることになく,

意志力とレジリエンスを駆使して一日を有意義に過ごします。

2015.10.3

糖質制限ダイエットとレジリエンスとの危険な関係‐過ぎると感情調節能力が激減する!?

ここ1週間前から,夕飯は糖質を完全にオフにしたいわゆる糖質制限ダイエットをしています。8月末から増加した体重がなかなか戻らないのと,複数の知人友人が行っているのを知っていたので,興味本位でつい始めたのでした。

効果はてきめんで,1~2kgはすぐに減少しましたね。もともとご飯ものやビールなどアルコール全般が好きなので,効きやすい体質だったのでしょうか?

ダイエット効果は高かったのですが,副作用も強かったですね。

今週はデスクワークが中心で,今月から集客戦略の方向性を変えようとマーケティング用のコンテンツを根詰めて作成していたところ,感情のコントロールが難しくなり,わけのわからない不安感が襲ってきたり,得体のしれない憤懣が湧いてきたりしました。

これは男の更年期障害なのか…? うつ病なのか?

多分,糖質制限ダイエットのせいではないかと判断しました。デスクワークで集中して脳を活用していると,エネルギー不足で集中力がなくなり,イライラが募る話がありますものね。

私たちの体内で消費されるエネルギーは,ATP(アデノシン三リン酸)が分解されて放出されます。それゆえにATPは「生体内のエネルギー通貨」なんて呼ばれていますね。私たちは,自力で通貨を発行できるんですね。通貨発行権のないギリシャとは大違い。

余談はさておき,体内のATPは糖質が細胞内で分解(細胞内呼吸)されて合成されます。合成されたATPはATPアーゼと呼ばれる分解酵素によって分解されて生体エネルギーが放出されます。ATPアーゼは,主に細胞膜などの生体膜に局在します。

ATPアーゼが最も多い場所は脳で,脳は全人体の20%のエネルギーを消費します。私たちは,脳を養うために生きているようなものです。

なぜ脳が最もエネルギーを消費するかというと,脳の情報伝達は,電気信号による神経伝達ですが,これには莫大なATPが必要なのです。だから脳を使えば使うほど,エネルギーは消耗し,身体は糖質を必要とします。

プロ棋士は,1日の対局が終わると,運動していないのに3kg体重が減ると言われています。それだけ脳を活発に活動しているのでしょう。朝ご飯を抜くと,午前中,頭ばぼーっとしているのも,デスクワークがいっぱいでイライラしているのも,すべて脳に糖質が不足しているからなのでしょうね。

感情というものは,しょせん脳内の神経を流れる電気信号でつくられるので,糖質が不足すると情報伝達が鈍り,感情コントロールができなくなるのも,理に適っているように思います。

行き過ぎた糖質制限ダイエットは,感情コントロールの敵,レジリエンスの大敵ですね。適度に糖質やポリフェノールを摂取せねば。あっ,ポリフェノールは関係ないか…。

先日,若くして急逝されたワインラバー,川島なお美さんを偲びつつ,川島さんが大好きだったワインの写真を掲載して今回のブログをまとめます。何よりも健康が一番大事だなあと感じさせられた出来事でした。
ロマネコンティ1960

ご冥福をお祈りいたします。

2015.9.3

同調圧力に弱い私たち‐アッシュの実験からみるレジリエンスの重要性と必要性

秋の気配が漂ってきたのに,ブログの筆が進まない。夏バテが来ているのでしょうか?

先日,コーチング仲間との勉強会で,私が講師となり,チャルディーニの「影響力の武器」を共有しました。

「影響力の武器」に書かれている,人に影響を与える6つの原則(好意,返報性,一貫性とコミットメント,権威,希少性,社会的証明)は,心理学にとどまることなく,マーケティング(特にダイレクトレスポンスマーケティング)に広く活用されています。

勉強会に一人遅れて来られる方がいると聞いた私は,社会的証明のエビデンスとして,有名な「アッシュの同調実験」を行いました。これは,ある1つの線と同じ長さの線を,3つの異なる線から選ぶという心理実験なのですが,複数の参加者のうち,1人の被験者以外はすべていわゆる「サクラ」で,3つの線のうち,あらかじめ明らかに誤った回答をするように申し合わせています。
遅れて来られた被験者が入場すると,おもむろに「ある種の知覚実験です。」と私が言って,試験が始まり,被験者以外のサクラ(今回は6名)が次々と誤った答えを回答し,最後に被験者に回答を求めて,同調して誤った答えを言うか,それとも同調することなく,毅然と正しい答えを言うかを調べる実験です。
アッシュの同調実験

結果,狙い通り,被験者の方は,同調して誤った答えを回答されました(被験者の方,誠に申し訳ございません)。

この実験から,人は,正しい見解を持っていても,集団内の意見がそれとは違うと,そちらの意見に追従してしまいやすいという傾向を示しています。「社会的証明」が如何に人の行動に影響を及ぼすかがわかりますね。

日本人は,他の民族に比べ,特に「社会的証明」に影響されやすい国民性をもっていると言われています。物事を冷静に思考することなく(思考停止状態で),大多数のメディアや伝聞情報に影響を受け,意思決定する人が如何に多いことか…。

レジリエンスの強い人は,状況を冷静に論理的に客観的に把握し,感情や行動をコントロールすることができますので,「社会的証明」の同調圧力にさほど影響を受けることなく,判断をすることができます。できるはずなんです。

同調圧力の程度は社会の鏡で,今の日本は,かなり同調圧力が強くなっているとどこかのメディアで紹介されていました(これも情報操作だったりして…)。いずれにしても,現代は,個人のレベルでも組織レベルでもレジリエンスの重要性と必要性が高まってきているということなのでしょう。

アッシュの同調実験からは,別の示唆も得ることができます。集団内の特定の一人(多くはリーダーシップをとる人)が,属する(または率いる)集団内の多数者の意見が変わったと判断すれば,前言を撤回し,あたかも前言なんてなかったかのようにふるまい,平然と真逆の主張をするという示唆です。

あれっ?? この構図,最近,どこかの主要都市の首長(かつとある政党の党首)が繰り出す言動を想起させるような…

皆様も「社会的証明」の悪用の罠にはまらないよう,レジリエンスを鍛えていきましょう。

2015.8.23

感謝の返報性?-レジリエンス研修後の予期せぬプレゼント

久々のブログ。暑いせいか,忙しいせいか,ブログ更新をおろそかにしがちなlazyな私。

先日,某市の教育委員会に招かれ,管理職研修(教頭・事務局長)でレジリエンスに関する講演をさせていただきました。招かれたというか,私のレジリエンスの先生から紹介いただき,登壇のオファーをいただいたのが現状です。

講演時間が短いにもかかわらず,先方の講演内容に関する要望は,ワークを入れてほしいとか,教職員へのレジリエンストレーニングだけでなく,子供へのレジリエンス教育に関する内容も入れてほしいなどてんこ盛りで,準備段階からレジリエンスを試されるような仕事でした。

いざ,本番の講演になると,しっかり準備していたせいか,駆け足ながらもスムーズに講演は運び,ほぼ予定していた内容は講演できました。5分ほど時間オーバーしてしまいましたが,満足はしていただけたかと感じています。
IMG_0720

それにしても,前職の教科書編集者時代には,学校現場の教師の方々はお客様で,当然,「先生」とお呼びしていたのですが,そのような方々から,逆に「松岡先生」と呼ばれ,最寄駅からお車で送迎されると,本当に面映ゆさを感じましたね。当然ながら,いい加減な講演はできないなあと気を引き締めて登壇しました。

講演の前半,盛り上がったときがありました。ネガティブ感情の解消法,気晴らし法の説明のときでした。

ネガティブ感情の気晴らしとしては,運動系,呼吸系,音楽系,筆記系などがありますが,おすすめできないのが,ギャンブルと酒と説明し,「アルコールは,ネガティブ感情を抱いているときに飲むと,解消するどころか増幅して逆にネガティブスパイラルに陥ります。酒が大好きで数々の酒に関する失敗を経験した私が言うのだから間違いありません。お酒は,ポジティブ感情をもっているとき,楽しいときに飲む場合は,ポジティビティを高める効果が大きいので,そういうときにいただきましょう。ネガティブ感情を抱いているときは,お酒に逃げず,別の効果的な方法で解消しましょう。」と話すと,受けが良かったです。講演に招かれた某市は酒造りが盛んな土地柄だったからでしょうか?

酒が好きだという発言が暗示になったのか,前提が込められていたのか,それとも講演の内容に対する感謝の返報性か,会場を後にする際,地元の高品質な地酒をお土産にいただきました。いやあ~本当に感謝感謝感謝でございます。

お土産をいただいたとき,教育委員会の指導主事の先生から,「松岡先生のお好きなものでございます。ネガティブスパイラルに陥らないようにいただいてください。」と話されました。私は,「ポジティビティ溢れるときに楽しくいただきます。」と返答しました。楽しい会話のやりとり。充実した有意義な時間を過ごすことができました。
お土産お酒