会社概要

2015.3.24

新入社員と恋愛との相関関係-フェネチルアミンの分泌期間

もうすぐ4月。初々しい新入社員が入社する時期ですね。25年前の新入社員の頃を思い出します。もっとも私の新人の頃はバブルの絶頂期で,私を含めた新人たちは,世の中をすっかりなめきったような驕った態度が多く見られたように思います(私の思い込みかもしれませんが…)。
仕事に対する意欲や情熱をもって入社する大学卒新卒者も,3年たつと30%以上は離職するデータが出ています。ある業種だと60%は離職していますね。どの業種かは想像におまかせします。
3年という期間と,先日の月9のドラマを観ててふと思い出したのが,フェネチルアミン(フェニルエチルアミン)という脳内ホルモンです。異性に興味をもったり,何かに集中しているときに分泌され,特に恋愛に関係する代表的な恋愛ホルモンです。
このフェネチルアミン,恋愛初期には著しく分泌されます。恋の始まりのときめき感やドキドキ感は,このホルモンが脳内に大量に存在するからなんですね。「愛は盲目(love is blind)」状態は,このホルモンの仕業です。ところが,フェネチルアミンの分泌は長くは続かず,恋愛が始まってから早くて半年,長くてせいぜい3年から4年で分泌されなくなります。恋の賞味期限は3年といったところなのでしょうか?フェネチルアミンの分泌が終わった後も継続するカップルは,お互いを冷静に見て理性的に判断し,ポジティビティが高まって,別の愛情ホルモン“オキシトシン”が分泌され,永続的な愛情深い関係が続くのでしょう。だからポジティビティを高めてレジリエンスを強化することは,ビジネスにおいても恋愛においても重要になるのです。(後半は私の仮説です。エビデンスはありません。)
話が恋愛の方向に行ってしまいましたが,新入社員があこがれの会社に入社するのも恋愛に似ていて,おそらく入社当初は,フェネチルアミンがばんばん分泌されているのでしょうね。フェネチルアミンは別名「やる気物質」と言われていて,恋愛時でなくても気持ちを上向きにさせる作用がありますから。「君(会社)のためなら死ねる」とか,「君(会社)の幸せは僕の幸せ」とか思っていることなんでしょう。それと似たようなことを入社時の決意披瀝で多くの新人が言っているのをニュースで聞いたことがあります。ところが三年も経てば,当初の恋心はすっかり冷めきり,「こんな人(会社)だとは思わなかった。」とか,「もっとふさわしい人(会社)がいるのかもしれない。」なんて思って新たな恋(企業)を求めて離職・転職する。フェネチルアミンの分泌が終わるときと合わせたかのように。(少しロジックが強引にジャンプしているでしょうか?)
レジリエンスを強化してポジティビティを高めれば,フェネチルアミンの分泌が終わっても,オキシトシンが継続的に分泌され,新入社員と会社との良好な恋愛関係は続きます。レジリエンス・トレーニングが新入社員にも有効な科学的理由がここにあります。

2015.3.23

家具屋姫と裸の王様-ネガティビティ溢れるおとぎ話の行く末

夕方,偶然テレビのニュースを見ていたら,今注目の“家具屋姫”こと大塚家具社長,大塚久美子氏が生出演されていました。冷静でスマートな敏腕経営者といった印象を受けましたが,ポジティビティは感じなかったですね。ニュースの焦点が,一連の御家騒動の顛末とプロキシ-ファイトの勝敗だったので,とても会社のこれからのビジョンや,顧客や自分についてきてくれた従業員,ステークホルダーへ感謝する言葉などは(思っていると好意的に考えたとしても)お話しできなかったんでしょうね。
親父さんである勝久氏の会見も少しだけ見ましたが,久美子氏よりもはるかにネガティビティ溢れる,実の娘に対する憎悪に満ち満ちた会見でしたね。ついていく社員が可哀そうになります。娘の経営方針は,自分が築いていったビジネスモデルを全否定する行為だと認識したのでしょうね。その点について,テレビで久美子氏は,何度説明しても,思い込み,事実誤認を理解してくれなかったと嘆いています。
双方ともステークホルダーの利害を優先すると言っているところも面白い。そうでも言わないとプロキシーファイトに勝てないからなんでしょうが,同族企業や創業者一族の御家騒動は,ごく一部の株主(創業者を含む)にだけ利益を生み,大半のステークホルダーは大損する場合が多いですね。過去に起こった一連の御家騒動を見ればわかります。そう考えれば,先の2人の発言は滑稽でしかないですね。
プロキシーファイトの勝敗がどちらに転ぼうとも,ネガティビティに満ち満ちた企業の風土をポジティビティの高い,良い方向に転換させるには相当な努力が必要でしょう。外圧がかからないと転換しないかもしれません。
しかし,今回の御家騒動の構図,内部で同胞たちの対立をあおり,戦わせると言った近現代の戦争の構図と奇妙なぐらい似通っていると感じるのは私だけでしょうか?

2015.3.20

営業マンとレジリエンスーレジリエンス・トレーニングの有効性①

先日のレジリエンス基礎セミナーには,某ビジネス書籍出版社の営業担当者の方が出席されました。アンケートを拝読すると,その営業担当者としての最大の悩みは,自分自身の売り上げ目標達成と,部下の目標達成だとのことでした。多くの営業マンも同じような悩みを抱えているようですね。
セミナーでは,レジリエンス・トレーニングを一部体験していただくため,ネガティブ感情を発生させる“思い込み”を処理するワークをしたのですが,それが好評だったようですね。目標達成を日頃から口やかましく言う上司に対する思い込みに対応したり,あるいは,目標達成に悩む部下のネガティブな反応や行動の原因となる思い込みを手なづけたりする方法が学べて,参考になったとの意見をいただきました。嬉しい意見ですね。
すべてのネガティブな感情や反応は,逆境や困難な状況に対する思い込み(perception)によって生じます。その思い込みを上手く処理すれば,ネガティブ感情や反応を解消させることができます。レジリエンス・トレーニングでは,まず,このようなネガティブ感情の解消・脱出と,ネガティブ感情を生じさせる思い込みを処理することから始まります。

2015.3.18

東京での初セミナー,終了しました

3月18日,東京で初のレジリエンス基礎セミナーを開催しました。場所はエッサム神田ホール1号館です。
アナウンス能力が足りず,当日キャンセルもあり,受講者は決して多くはありませんでしたが,ご多忙の中,ご出席いただいた皆様,本当にありがとうございました。感謝感謝でございます。
受講者が少ない分,とても凝縮したセミナーになりました。アットホームな中でワークに取り組むことができ,レジリエンスについて,かなり理解できたとの意見を多くいただきました。嬉しいですね。
さらに嬉しいことは,レジリエンス講師養成講座でともに学んだ同期の方が出席されたことですね。セミナー終了後,過分なポジティブストロークをいただき,自信が湧きました。まさにレジリエンス資源。レジリエンス・トレーニングのセミナーをしながら,受講者にレジリエンス・トレーニングをしてもらうという,ミイラ取りがミイラになったような構図が展開されていました。何はともあれ,充実感に浸っています。東京20150318

来週は,3月25日(水)に東京で,翌日26日(木)に大阪で開催します。よろしくお願いします。

2015.3.17

ヒトがヒトを殺める理由‐レジリエンスが弱まり,コントロールを失うとき

先日,福井県で痛ましくも不可解な殺人事件がありましたね。生態学者が教え子を殺めてしまうという。推定無罪が原則なので,自白した(と報じられている)とは言え,刑が確定していない段階で軽々しく件の准教授を犯人扱いしてはいけませんが,事実ならば残念でならないですね。絶滅危惧種を保護し,生物多様性を維持する研究をしていた生態学者が,よりによって最も身近な生命を奪ったのですから。

政策大学院大学の副学長で行動生態学者の長谷川真理子教授は,男性の殺人について,進化心理学的,行動生態学的にユニークな持論を展開しています。いわく,男性が他の男性を殺人する動機は,生物的な配偶者獲得競争が根底にある自己顕示欲の現れとか。そのベースには,「種の起源」で有名な,かのチャールズ・ダーウィンが唱えている「性淘汰の理論」があります。詳しく書くと長くなるので書きません。
男性が男性を殺す動機の1位は,金銭面のトラブルでも,嫉妬でもなく,第三者から見ればくだらない「自己のメンツを守る」ということ。それは配偶者獲得競争においての自己顕示欲,自己評価の表れだと長谷川真理子氏は論じています。また,男性が女性を殺す理由としては「性的嫉妬」が多く,自分が愛しているのに自分を捨ててしまった女性を殺すケースが非常に多いと言及した上で,それは,雄の雌への配偶者防衛の表れだと書いています。
男性が女性にストーカー行為をくり返したり,夫が妻にDVを行ったりするのも,生物学的な配偶者防衛行動のコントロールを逸脱したものだと長谷川氏は言っています。本能が理性をコントロールできなくなったのでしょうね。

今回の事件の動機は,皆目見当がつきませんが,冷静な判断力を失って,感情のコントロールができなかったことは容易に想像できます。レジリエンスが相当弱まっていたのでしょうね。断定はできませんが…。
今回のブログは,長々と生物の教科書のような退屈な文章を書いてしまいました。それだけ私にとって,今回の事件はショックだったのです。